四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『クリスマスプレゼントの意味』

2024.12.20

以前担当していた生徒のお母さまから、「クリスマスにはサンタさんからのプレゼント以外に、両親からのプレゼントも用意しているんです。今年も一年、いろいろなことをがんばったね……そんな言葉を添えて渡しています」というお話をうかがったことがあります。とてもよいお話だと思いました。単純に「クリスマスだから」というだけではなく、「一年間のお子様の行動や成長を評価してのご褒美」的な意味合いのプレゼントなのでしょう。もちろん、もらったお子様は「よし、来年もがんばろう!」という気持ちにもなるでしょうし、なによりも「自己肯定感」が高まるのではないでしょうか。


よく「子どもはほめて伸ばす」という言葉を聞きます。「ほめる」ことによって、「自己肯定感」を高めていくことにつながるのだと思います。「一年間の子どものがんばりを評価するプレゼント」は、「ほめる」という点では非常に効果のあるものだと感じています。


小学生を伸ばすためには、「ほめる」のは間違いなく必要なことであると私自身も感じています。私が担当していた小学校4年生のクラスに漢字が苦手な生徒がいました。ある日行った漢字テストでは、100点満点中50点未満の点数でした。次の週にがんばって65点まで伸ばしてきたので、ほめてあげたところ、翌週には80点になり、そこからは90点以上の得点が続くようになりました。


もちろん65点は合格点ではありません。クラスの他の生徒に対しては、65点では決してほめませんし、場合によっては厳しく指導する得点です。しかし、そのお子様の場合は、その前の週が悪すぎたので、そこからの伸びをほめてあげたのです。そうしたところ、本当に嬉しそうな顔をしてくれました。きっと、その気持ちが「前向きに学習に取り組むやる気」につながったのだと思います。


ご家庭ではどんな時にお子様をほめていらっしゃいますでしょうか。どんな時でもほめればよい、というものでもないでしょう。ほめることがよくない結果をもたらすこともあるのです。よい点数が取れた時にほめる、ということを繰り返すと、点数さえ取れていればそれでよいという考え方になってしまう可能性があります。場合によっては、テストでズルをするようになることもあるかもしれません。宿題が全部マルになっていることだけをほめてしまうと、解答・解説を見て解答欄を埋めることだけを意識するようになってしまいます。テストの得点や宿題の完成度などの、「結果」だけをほめるようにしてしまうと、このような弊害が生まれてしまう危険性もあるのです。


では、どんなときに、どのようにほめればよいのでしょうか。ポイントになるのは「結果」だけではなく、そこに至る「過程」や「行動」をほめるようにすることだと思っています。テストでよい点数がとれたのだとすれば、「いい点だったね、よかったね!」というよりも、「毎日がんばって宿題をやったからいい点になったね」というようにほめてあげることが大切なのです。万が一、がんばったけれど結果が出なかったとしても、その「がんばり(行動)」はぜひほめてあげていただきたいのです。そういう点で「一年間の行動を評価する」というプレゼントは、とても効果的なものだと思ったのです。


ほめるときには、お子様の心情を考えて行うのがよいでしょう。「お子様がほめてほしい」と思っているときを見つけて、ほめてあげることが大切です。あまりがんばっていないときには、お子様は「叱られるのではないか」と心の中では思っているはずです。そんなときに受けたテストがたまたまよい結果だったとして、その結果だけをほめられると、お子様は「ああ、こんなものでいいんだ」と思ってしまいます。努力をしなくても結果だけを出せばよいと考えてしまう危険性が出てくるわけです。一方で、がんばって学習したときは「ほめてほしい」と心の中では思っているはずなのですが、結果で叱られてしまうと、「あんなにがんばったのに認めてもらえなかった」と感じ、「勉強は苦手だ。なにをやってもうまくいかない」と悩みはじめてしまうこともあるかもしれません。


先述した小4生の漢字テストが50点未満からが65点になったときには、明らかにそこに努力のあとが認められました。一つひとつの漢字のトメ・ハネに気をつかい、とても丁寧に字を書くようになっていたのです。本当にがんばったことがわかる答案でした。苦手な漢字をそこまでがんばってくれたので、私は心の底からほめてあげたのです。

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