『ニッポニアニッポン ~国立科学博物館の特別展「鳥」~』
2024.12.25
「鳥」という特別展が、上野の国立科学博物館で行われているのをご存じでしょうか。主催は「国立科学博物館」「日本経済新聞社」「BSテレビ東京」で、特別協賛として「キヤノン」「サントリーホールディングス」となっている展示会です。早稲田アカデミーは、「協賛企業」として参加させていただいております。早稲田アカデミーは「進学塾」ですから、もちろん「成績向上」「志望校合格」を目指す指導を行っておりますが、「教育機関」としてお子様の「学び」や「成長」につながるものには積極的に支援などをさせていただき、お子様方の成長を応援してまいります。
この展示会を私も拝見してまいりました。先日(12/19)の通常開館時間が終わった後の18時から、早稲田アカデミーの塾生とご家族の方のみをご招待した「特別鑑賞会」を実施させていただきました。そこに参加してきたのです。参加されたのは、抽選で当選された限定100組の方々でしたので、非常に贅沢な環境で鑑賞させていただきました。
感想は「すごい!」「おもしろい!」の一言でした。正直に申し上げれば、生物は専門ではなく、「鳥」についても深い知識を持っているわけではありません。そんな私でも、いや逆にそんな私だからとても楽しめたのかもしれません。私がおもしろいと思った展示内容、興味を持ったもの、感銘を受けたものについて少しご紹介させていただきます。
まず、全体を通じて感じたのが鳥の「美しさ」でした。感じた「美しさ」には2通りあります。ひとつはその体の機能的な造形の美しさと言えばよいのでしょうか。多くの鳥はもちろん飛びます。「飛ぶ」ためにつくられた翼や体の形、自然の造形美とでも言えばよいのでしょうか。そこに大きく感銘を受けました。住んでいる環境や、生活のスタイル、なにを食べて生きるかなどによって、体の造りが進化し、変わっているわけです。一例を挙げれば、「渡り」をする鳥は、長距離移動が必要となるので、風に乗ってグライダーのように飛ぶための大きな翼が、捕食者から逃げることが必要な鳥は、即座に羽ばたいて逃げるための小さな翼が、それぞれ備わっているという次第です。それが、非常にわかりやすく展示されていました。
二つ目の「美しさ」はその羽の色です。その点は皆様もイメージしやすいと思いますが、本当に美しい色の鳥が多く展示されていました。主催の方にうかがったところ、「500種で600体程度の展示」「野鳥マニアの方がお越しになっても満足してくださるレベルにできた」、そんなことをおっしゃっていました。見たことがない極彩色の羽を持つ鳥なども多く、たくさん写真を撮ってしまいました(館内の展示物は一部を除き写真撮影が可能です。動画映像は不可です)。
「ニッポニアニッポン」という鳥をご存じの方も多いでしょう。とても素敵な日本を代表するような名前だと思うのですが、実は「トキ(朱鷺)」の学名です。以前新聞で読んだ記事を覚えていたのですが、野生種は絶滅してしまい、日本においてはいなくなった鳥でした。その後、中国との協力のなかで保護・繁殖が進み、いま日本では数百匹が飼育されているそうです。この「トキ」の羽の色をご存じでしょうか。「朱鷺色」と呼ばれる淡い色です。羽を閉じた姿の「トキ」は白っぽく見えるのですが、翼を広げたときに見える「風切羽」が淡い橙色系のピンク色をしています。この色が「朱鷺色」なのだそうです。今回の会場には、「トキ」のはく製は何体か展示されていたのですが、そのうちの一体のそばに、この「風切羽」が展示されていました。なんとも言えない美しさで、目を離せなくなってしまいました。
その次に感銘を受けたのが、「ゲノム解析」で行われた鳥の系統分類です。最新の「ゲノム解析」の結果、様々な新たな発見があり、新しい系統分類がされたそうです。かなり詳しく書いてあったので、じっくりと読んでしまったのですが、紙面の都合がありますので詳細は割愛させていただきます。「タカ」の仲間だと思われていた「ハヤブサ」が実は「インコ」に近い系統であったという話は、とても面白く感じました。
また、鳥の習性や生態について、各所に「鳥のひみつ」という3コマ漫画のような解説が展示されています。とてもわかりやすく、面白く書かれていて、お子様も喜ばれると思います。「大きく羽を広げているインドクジャク」が入場口で出迎えてくれています。その美しさを見ただけでもテンションが上がるのではないでしょうか。「ペラゴルニス・サンデルシ」は天井からの吊り下げ展示になっていて、まるで空から襲ってくるような姿になっています。「かわいい!」と子どもたちが大喜びしそうなのが、「雪の妖精ともいわれるシマエナガ」です。お土産売り場でもぬいぐるみが大人気と聞きました。写真もたくさん撮らせていただいたので、今回の記事に掲載しようと思ったのですが、せっかくなので実際にご覧いただいた方がよいと思いましたので、割愛させていただくことにいたしました。あと、もうひとつ。「なんか久しぶりにスズメを見たなぁ」と思いました。私が子供のころはいたるところでスズメがいたような気がするのですが……。
まだまだ書きたいことは山ほどあるのですが、これくらいにとどめておきます。もしよろしければ実際にお越しになっていただければと思います。きっとお子様も楽しんでいただけると思いますし、保護者の皆様もお子様以上に楽しめるかもしれません。
年内は12月27日までで、年明けは1月2日から開館されるそうです。東京では2月24日まで行われているそうですので、よろしければお子様とご一緒に足を運んでみるのはいかがでしょうか。国立科学博物館は上野にありますので、冬休み中にお越しになるのであれば、不忍の池には東照宮もありますし、ちょっと足を延ばせば湯島天神までも歩けます。初詣もご一緒に……。
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