四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学受験学習を進めるうえでの「不安」』

2025.04.25

この4月から新しく通塾を始められた方もいらっしゃると思いますし、新学年に進級して「不安」を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそんな皆様に向けたアドバイスです。


塾と習い事の違いはなんでしょう。「何かを学び身につける」という視点で考えれば、両者に大きな違いはありません。お子様が「楽しめるかどうか」という視点もあります。ただ、習い事でも「つらく」感じる瞬間はあるでしょうし、塾でも「楽しく」感じる瞬間はあります。特に小学4年生くらいまでであれば、「ピアノやスイミングよりも塾の方が楽しい」というお子様も多いようです。体を鍛えるための習い事、情操面を育てるための習い事があるように、塾は頭脳を鍛えるためのひとつの習い事としてとらえることができます。


一方で、進学塾というカテゴリーで考えた場合には、そこには普通の習い事との大きな違いがあります。それは、「明確な目的を持って通う」という点です。もちろん、プロスポーツ選手や演奏家という大きな目的を持って、スポーツや楽器を始める方もいらっしゃるでしょう。しかし、小学生の習い事の場合、それほど大きな目的をはじめから持っている方は少ないはずです。しかし、進学塾に通う場合は「中学受験での合格」という大きな目的が存在しています。通っている方全員が目標となる学校を持ち、その学校の入学試験に合格するために学んでいるのです。


さて、大きな目標に向かって進んでいるときには、「焦り」や「不安」が生じることがあります。その目標への想いが強ければ強いほど、「焦り」や「不安」も強くなり、ときには「ストレス」と呼べるレベルにまでなることもあるかもしれません。目標と現在の自分とのギャップを感じれば、そこには「不安」が生じます。目標までの長い道のりを想像すれば、そこには「焦り」が生まれるはずです。目標までの距離を着実に進んでいっている……入試に向けた学習に限定していえば「順調に成績が伸びている」としても、「焦り」や「不安」を完全に拭い去ることはできないのではないでしょうか。


中学受験のために学習している小学生を見て「かわいそう」と感じる方は、この「目標と現実のギャップ」から生じる「焦り」「不安」を、10歳から12歳くらいの段階で経験させることに違和感を持たれている場合が多いように思います。しかし、私はその点も含めて、「中学受験」という経験は「合格」という結果だけにとどまらず、その先の将来へ向けてお子様を大きく成長させるものだと考えています。


「焦り」や「不安」を感じるのはお子様だけではないでしょう。ときには、保護者の皆様の方がそれを強く感じることがあるはずです。大人はそれまでのご自身の経験から、「中学受験での合格」という最終的な目的をより大きなものとして感じることがあります。また、経験に基づいた逆算ができる分だけ、入試までの日数をお子様よりも短く感じてしまう場合もあるはずです。その一方で、保護者様にとっては入試を「研究」することはできても、「実感」としてとらえることはなかなか難しいものです。入試問題を見ても、小学3・4年生である現在のお子様の学習状況から、そこにたどり着く道筋は見えてこないでしょう。逆に、道筋のあまりの遠さに「不安」を感じてしまうこともあるはずです。ご兄弟で入試を経験されていれば、ある程度はつかめると思いますが、それでも「今の状態から最終的なゴールまで、本当にたどり着けるのか」という気持ちは常につきまとうものだと思います。


そういった「焦り」「不安」は、塾の講師にご相談いただくのが一番よい方法です。相談というよりも、気持ちをぶつけていただくという表現の方が適切かもしれません。我々は毎年多くの受験生を担当しておりますので、どのように進めていけばゴールまでたどり着くか、そのゴールに対していまどこまで近付いているのか、という点についてはしっかりと把握したうえで指導を進めています。保護者の皆様の「焦り」「不安」を完全になくすことは難しいかもしれませんが、軽減することはできるはずと考えています。

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