四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学入試の基礎知識① ~「基礎から学べる中学入試報告会」より~』

2018.03.14

一昨日の3/12に、「基礎から学べる中学入試報告会」を実施いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございます。今回は大きく分けて、下記の3つの内容についてお話しさせていただきました。


1.中学入試概況

2001年から2018年までの受験率推移や、2018年入試の背景などについてお話しいたしました。大学附属校が人気になっている背景として、「大学入試改革」「難関私立大学の定員超過の是正への動き」などについても触れさせていただいています。


2.2018年入試問題から見る「伸ばしたい力」

今年出題された特徴的な入試問題をご紹介しながら、「考える力」「表現する力」を試す問題についてお話ししています。また「生活の中での知識を問う問題」「時事問題」を見据えて、「興味関心の幅が広いタイプ」に育てていくことも必要だとお伝えいたしました。


3.中学入試の基礎知識

「中学受験へ向けた学習カリキュラム」と「小学生の学習方法」についてお話しいたしました。今回から2回に分けて、こちらの内容をこのブログでもご紹介させていただきます。


中学受験は「親子の入試」「家族の入試」といわれることがあります。高校受験や大学受験と比べると、保護者の皆様が関与する部分がとても大きい、ということです。そしてお子様への接し方次第で、学習面の無駄が増えてしまったり、お子様のやる気が低下してしまったりすることもあります。中学受験は、保護者の関わり方によって、その結果が大きく変わってしまうものなのです。


お父様やお母様がイメージされる「受験勉強」は、多くの場合ご自身が高校・大学受験をなさったときのものではないでしょうか。中学受験を経験された方もいらっしゃるとは思いますが、そのときの記憶は高校・大学受験の記憶に「上書き」されてしまって、小学生のときの学習内容や学習方法を覚えていらっしゃる方は少ないでしょう。私自身も四谷大塚に通い、中学受験を経験したのですが、そのときの記憶はあまり残っていません。早稲田アカデミーで小学生を指導するようになってから、実家に残っていた当時の「予習シリーズ」を引っ張り出して、いろいろと思い出したのですが、それでも「どんな風に勉強していたか」という記憶は曖昧です。また、ここ20年ほどで中学入試の出題傾向は大きく変わってきていますので、たとえ当時の「学習の記憶」が残っていたとしても、それほど役には立たなかったかもしれません。


保護者の皆様にまずご理解いただきたいのは、中学受験へ向けた学習のカリキュラムは、ある意味「特殊」であるということです。その学齢の標準的な生徒にとっては、かなりハードルの高い内容です。ハイレベルな内容を学習する場合、多くのお子様は「先生の教えてくれたことはなんとなくわかっている」けれど、「いざ自分で問題を解こうとするとできない」、「自分ひとりの力では解ききれない」という状態になります。ここで大切なのは、その状況を「すぐに解決しようとしない」ことです。中学受験カリキュラムの学習にまだ慣れていないお子様の場合、テキストやテストの問題に「正解」できないと、なんとなく不快感を抱いてしまうこともあるはずです。しかし、その点に関しては「慣れ」が解決してくれるものです。


「できないまま進めていったら、いつまでもできないままになってしまうのでは?」というご不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、「なんとなくわかってはいるけれど、自分ではできない」という問題は、いずれ必ずできるようになるのです。そこには精神的な成長・発達が大きく影響してきます。


保護者の皆様でも、塾のテキストをご覧になったときに「あれ?この問題はどう解くんだろう?」と思われることがあるでしょう。大人の場合、そこで解説を読んで「ああ、こう解くのか」と理解すれば、次に同じタイプの問題を見たときにはすぐに解けるはずです。一方、小学生の場合、なかなかそうはいきません。この違いは「経験」であり「成長」の差だとお考えいただければ、おわかりいただけるはずです。


中学受験へ向けた学習はお子様の「精神的な成長」と同時進行だと、まずはご理解いただければと思います。


次回は、上記のような「中学受験カリキュラム」をどのように進めていくのがよいか、というポイントを書かせていただきます。

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