『勉強をしていて機嫌が悪くなるとき』
2018.10.26
先日、あるお母様から「テストや宿題で、できなかったり×がついたりすると機嫌が悪くなるんです」というご相談をいただきました。
小学3年生から5年生くらいまでの時期には、どのご家庭でも多かれ少なかれ経験されるお悩みだと思います。以前、「最近、何にでも反抗するので困っているんです。隣りで勉強を見ていても、一つひとつの課題に文句をつけるので……」というご相談をいただいたこともあります。
上手くいかないことがあると機嫌が悪くなるのは、親に対する「甘え」の一つと考えられます。学校や塾では、問題が解けないからといって先生に対してふてくされたりすることはまずないでしょう。幼児から小学校低・中学年までのお子様が最も意識するのは親だといわれています。つまり、親からの評価が一番気になる時期ですから、自分ができなかった問題などがあると、そのことに対してどう振る舞えばよいのかが分からず、また、うまく表現もできないのです。できなかったのですから、よい評価を受けられないことはわかっています。しかし、「この問題ができなかったけれど、ここを復習すればできるようになるはずだから、自分はがんばってここの単元の勉強をやり直します」という表現をすることはもちろんできません。というよりも、そんな風に整理して考えることができる小学生はいないでしょう。一通り終わった宿題をお母さんに持っていって、マル付けをしてもらったら間違えていた問題が思ったよりもたくさんあった。そこで機嫌が悪くなったり、ふてくされたりするのはある意味当たり前の反応だとも思います。
さて、ではそのようなときにどう対応すればよいのでしょうか。私は「放っておく」ことをおすすめしています。言葉が良くなければ、「黙って見守る」と言い換えてもよいでしょう。感情的になっているお子様は、どんな言葉をかけたとしても素直には受け取れないはずです。機嫌が悪くなっているのであれば、「できなかったことを悔しく思っている」わけですから、それは逆の言い方をすれば良いことだともいえます。「できなくて悔しい」、だから「もっと勉強しなければ」という気持ちも当然お子様のなかには存在しているはずです。それなのに、「もっと勉強しなくちゃね」というように、同じことを改めて親から言われてしまったら、さらに機嫌が悪くなってしまうことにもなりかねません。お子様の「できなくて悔しい」という気持ちを尊重していただくには、「見守る」というのが良い方法だと考えているのです。そして、その「悔しさ」が次へ向けた「やる気」につながっていってくれればと思います。
小学校高学年になると、意識の対象は大人から、自分と同じレベルの友人やライバルに移ってきます。そうなると、できなかったからといってすぐに機嫌が悪くなることはなくなります。しかし、本当の意味で気をつけなければならないのは、ここから先になるのです。続きはまた後日書かせていただきます。
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