四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『「解き方」よりも「考え方」を大切に……』

2018.11.07

「全国統一小学生テスト」が終わりました。早稲田アカデミー各校舎でも多くの皆様にご受験いただきました。ご受験いただきました答案は、現在主催の四谷大塚で採点・集計などの処理が行われていると思います。小学3年生以上では解答用紙がマークシートになっておりますが、全国規模の模試で受験者数も非常に多いため、採点結果や集計結果帳票がお手元に届くまでもう少しお待ちください(早稲田アカデミー各校舎への到着は11月14日を予定しております)。


さて、今回の「全国統一小学生テスト」も良い問題がそろっていたと、個人的には思っております。小3・小4の算数では、初めて見た問題であったとしても、その場でしっかりと考えることで、特殊な「解き方」を教わったことがなくても解ける問題が多く出題されていました。ただ、ここでポイントになるのは、「見たことがなくても、自分で考えながら解ききることができるか」という点になります。


質問にくる生徒に対して、私はよく「この問題の何がわからないの?」と尋ねます。すると、「解き方!」という答えが返ってくることがあります。特に算数の質問の場合は、「解き方」を教えてほしいというケースが多いのです。しかし、確認をしてみると、その問題に必要な「解き方」は理解して、身についている場合がほとんどです。たとえば「つるかめ算」であれば「面積図」、「和差算・分配算」であれば「線分図」、といった「解き方」は理解できているわけです。ただ、問題を読んで(もしくは図形を見て)、その「解き方」まで持ち込むことができていないことがほとんどです。言い換えれば、その問題に対して「どのように『考える』か」というところで止まってしまっているわけです。


算数の場合、この「考え方」が大切なのです。小3から小4の1学期くらいまでの学習単元は、「解き方」をメインに扱っています。授業で教わった「解き方」を覚えて、それをそのまま当てはめれば解ける問題がテキストにも並んでいます。ただ、「応用」といわれる問題は、その「解き方」を当てはめるまでの「思考過程」の段階が多いわけです。算数の問題を解くとき(教えるとき)には、この「考え方」→「解き方」を意識すると、うまくいく場合が多くあります。


さて、算数を苦手とするお子様の場合、この「考え方」のところまで覚えてしまおうとする傾向があります。算数という科目を「考えて解く」のではなく、「知っていることを当てはめて解く」というように誤解をしてしまっているのです。もちろん、受験算数で出てくる「○○算の解き方」はある程度の数しかありませんし、その過程を「覚えて身につけておく」ことは必要です。しかし、そこに至るまでの「考え方」は無数にあるといえます。そのすべてを「覚えて」しまうことなどもちろんできません。目の前の問題の「考え方」を覚えても、次に出てくる問題には対応しきれないのです。このタイプのお子様の場合、「難しい」と思った瞬間に、思考が停止してしまうことがあります。「知らないからできない」ということになってしまうわけです。


中学受験では、テキストで見たことがあるような問題ももちろん出題されますし、知っている問題を「正確に素早く解く」ことも必要ではありますが、見たことがない問題でも「解ききる」ことがより重要になってきます。中学校で問題をつくっている先生も、「今まで出題されたことがないような問題をつくりたい」と考えている場合もあるのです。特に難関中学では、そういう問題が合否を分けることも多いのです。


小4から小5の段階で、「算数は暗記だけの科目ではない」ということを、しっかりとお子様が理解できるように、ご家庭でもご指導いただければと思います。「解き方を覚える」のではなく、「自分で考えて解く」のだということが早いうちに身についたお子様は、算数が伸びていくはずです。

同じテーマの最新記事

2018.11.07 『「解き方」よりも「考え方」を大切に……』
2018.11.02 『才能をのばす、可能性を広げる』
2018.10.31 『我が子の才能をのばす方法、つぶす方法』
2018.10.26 『勉強をしていて機嫌が悪くなるとき』
2018.10.24 『理社学習のスタートは身近なところから』
資料請求はこちら