『新学年への切り替わりのタイミングで』
2018.11.30
早稲田アカデミーの小学部では「新学年への切り替わりのタイミング」を迎えています。「新学年」と聞くとまだ先のように思われるかもしれませんが、首都圏の中学入試は1月から2月にかけて行われます。そのため、進学塾では2月から新学年に切り替わります。早稲田アカデミー各校舎でも、11月中(もしくは12月の前半)に、新年度へ向けた説明会が行われています。
毎年、この時期に「親はどこまで子どもの勉強に関わればよいでしょうか」というご相談を受けます。先日行われた『全国統一小学生テスト』の小3や小4の算数では、パッと見ただけでは大人でも解き方が思い浮かばないような問題が出題されていました。解説を読むことで解き方は教えられても、お子様が自分でできるようにさせるのはなかなか難しいとお感じになられた方も多いのではないでしょうか。
お子様の性格やタイプによっても変わりますが、学年の切り替わりのタイミングなどで、塾の先生と相談をしながら、保護者の方が関わる範囲を減らしていくと良いと思います。
「中学受験は親子の受験」といわれることがありますが、それは最後まですべての学習を見ていくことではありません。志望校の入学試験当日、試験会場には一人で向かわなければなりません。自分の将来を、これからの6年間を決めるテストに自分一人で臨まなければならないのです。ですから不安を感じたり、緊張したりするのは当たり前です。そして、その不安や緊張を振り払い、自分の力で自分の道を切り開いていくことが求められるのです。そう考えた場合「依存心」は敵になります。
普段、子ども(小学生)は多くの部分で大人に依存しながら生活をしています。そこで、子どもの自立と精神的な成長を促すためには、親が計画的に子どもから手を離していく必要があるのです。
では、具体的にどのような形で手を離していけばよいのでしょうか。中学受験へ向けた親の関わり方として、大きく分けると2つの方法があると考えています。1つは問題や学習内容にまで関わる形、もう1つはペースメーカーとして関わる形です。小学校3~4年生では前者のスタイルが中心となるはずですが、小学校5年生以降には後者のスタイルへと移行していくことを、一般的にはおすすめしています。これまでお子様が分からない問題を教えていたのであれば、「それは先生に質問しなさい」という形に変えていくわけです。その際、お子様が先生のところへ質問に行くのを渋る場合があるでしょう。そのようなときには、お母様から塾に電話をかけてください。お子様に聞こえるように、「いまから質問に行かせますので、お願いします」のひと言でかまいません。それを聞いたお子様は先生のところへ質問に行きやすくなるはずです。一回質問に行くことができれば、次からは自分で行けるようになります。ひとつの事例ですが、それがペースメーカーもしくはサポーターとしての親の関わり方です。
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