四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『宿題だけやって満足してしまい……』

2019.06.26

「宿題だけやって満足してしまい、すぐにゲームをしたがります。宿題しかやっていないので、成績もふるいません。よい案はありますか?」


先日実施させていただいたクローバーセミナーのアンケートにご記入いただいたご相談です。小学4年生の男の子の保護者様からでした。今回は、このご相談にお答えしたいと思います。といっても「よい案」をお伝えできるわけではないのですが……。


結論からお伝えすると、お子様が早稲田アカデミーのような進学塾にお通いの場合は、「宿題だけやって満足」で大いに構わないのです。むしろ「宿題」以外の家庭学習を求めてしまうと、それは小学生にとってかなりハードルの高い要求になってしまいます。「せめて授業の『復習』くらいはしてから、宿題にとりかかってほしいんです」というご相談をいただいたこともあるのですが、小学生にとっては、授業の「復習」という行為もやはり難しいものです。「復習をしなさい」という指示をすると、テキストとノートを開いて眺めているお子様もいらっしゃるかもしれませんが、そのときに頭がフル回転している……というお子様は決して多くないはずです。中学生・高校生になれば、ノートを見て先生の話を思い出しながら、授業で扱った問題をもう一度解いてみる、ということもできるようになってきますが、成長段階にある小学生にとっては、それよりも問題を解く方が真剣になれるはずです。そのため、早稲田アカデミーの宿題は、原則として宿題自体が「復習」になるように工夫されています。


一方で、冒頭でご紹介した保護者の方が本当にご相談なさりたいのは、「宿題だけはやっているけれど、成績がふるわない」という点なのではないかと思います。セミナーの中でお話ししましたように、「授業を受けて必要な家庭学習を進めていけば、学力は身に付いている」はずなのです。ただ、その学力が偏差値などの成績数値として出てこないことに、ご不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。この点に関して、セミナーでは「精神的成長を促す」ことが成績向上につながるはずです、とお伝えしました。ただ、ひとつ気になるのは「宿題の完成度」になってきます。「ゲームをやりたいために、宿題を適当にこなしている=完成度が低い」というような状態なのであれば、精神的に成長する時期がきても、その伸び幅にあまり期待はできません。


ゲームについて、その良し悪しを論じるのは、今回のテーマではありませんので割愛いたしますが、「勉強以外にやりたいものがある」というというのは(小学4年生であれば)悪いことではないと考えます。そこをうまく刺激することで、宿題の完成度を高めていくことができるのではないでしょうか。たとえば、宿題の内容をチェックして完成度が低い場合は「ペナルティ」として、「ゲームの時間」にもう一度やり直させるというような方法も考えられます。ただ、この方法は「ゲームの時間にやり直すことで完成度が上がる」という目的ではなく、「1回目に完成度を上げるために、ペナルティを用意する」という視点を崩さないことが大切です。

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