『精神的成長をうながす親の接し方 ~第1回クローバーセミナーより①~』
2019.06.19
今週の月曜日(6月17日)に、渋谷の会場にて今年度第1回目となる「クローバーセミナー」を実施させていただきました。非常に大きな会場でしたが、多くの方にお越しいただいたため、2階席まで開放させていただきました。年々、お越しいただく方が多くなっていることに驚いているのですが、「それだけご期待いただいているのだ」と気を引き締めて準備し、当日の講演に臨んでいます。お書きいただいたアンケートを見ると概ねご好評いただいたようで、ホッとしているところです。
さて、毎回クローバーセミナー直後のブログでは、ご参加いただけなかった方に少しでも内容をお伝えしたいと思い、セミナーでお話しした内容を簡単にご紹介させていただいております。ご参加いただいた方も、このブログをお読みいただくことで、当日の内容を振り返っていただければと思います。
今回は大きく3つのパートに分けて、お話しいたしました。第1部は「中学受験は精神的成長と同時進行」と題して、小学生の精神的発達段階と中学受験学習の関係について触れました。小学校の学習カリキュラムは、その年齢の生徒であれば概ね理解できる内容になっています。しかし、中学受験カリキュラムはそうではありません。その年齢の生徒にとっては、かなりハードルが高い学習内容になっています。全ての学習内容を完全に理解し、さらには自分の力で「解き切る」というところまでもっていくのは、難しいことなのです。まずは、その点をご理解いただけるようにお話しいたしました。また、小6の1・2月に行われる中学入試においては、その時点での精神的成長段階で結果が変わる、という点にも触れさせていただきました。精神的な成長が早いお子様の方が、一般的に得点力は高くなりますので、最難関中に合格するということだけを考えれば「ませた」タイプのお子様の方が有利ということになります。しかし逆に言えば、その時点でまだ「幼い」タイプのお子様は、そこから先に(中学校に入学してから)、成長し「伸びる」タイミングがやってくるわけです。そのタイミングが来たときに「伸ばしてくれる」環境を選ぶという視点で考えると、実は「幼い」タイプの生徒の方が、中学受験に取り組むべきである、という点もお話しいたしました。
第2部では「精神的成長と成績向上」の関係について説明させていただきました。偏差値は、同じように学習をしている母集団における相対評価です。ですから、周囲と同じように授業を受け、同じように家庭学習に取り組んでいるだけでは、大きくは変化しないのが普通です。むしろ、偏差値が大きく下がらないのであれば、求められている学力は順調に身に付いているはずです、とお話しさせていただきました。そして、なかなか変わらない成績が大きく伸びるタイミングが、どのお子様にもやってくること、そのタイミングは精神的に成長したところで訪れること、などをお話しさせていただきました。だからこそ、なかなか成績が伸びない時期に、我慢強く学習を継続し、学びを「蓄積」することが大切です。その期間の「蓄積」が、精神的成長を迎えたときの「伸び幅」につながるのです。この仕組みをしっかりと保護者の皆様がご理解くださると、お子様の学習に対するやる気を引き出すことにもつながると思います。
第3部では「精神的成長をうながす親の接し方」について、具体的事例も交えながらお話しさせていただきました。少し長い記事となってしまいますので、この点については次回のブログでご紹介いたします。
今回のセミナーにご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。次回は7月に銀座の会場で「夏の過ごし方」についてお話しさせていただきます。よろしければぜひご参加ください。
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