『子どもを叱る……』
2019.07.05
今回の記事では、「子どもを叱る」ことについて考えてみたいと思います。毎日の生活のなかで、お子様を叱らなければならない場面は、当然あるはずです。親子の間ですから、ときには感情的になって強く叱ってしまうこともあるでしょう。私は、それはそれでよいと思います。叱られることで、お子様の気持ちが落ちこむこともあるかもしれませんが、全く叱られずに育つよりも、悪いことは悪いとしっかりと教わって育った方が、子どもにとってはよいはずです。
ただし、保護者の皆様に、少し頭の中に置いておいていただきたいことがあります。それは、叱り方です。
「悪いこと」をしてしまったとき、もしくは、「やらなければならないこと」を全くしなかったときには、強く叱っても問題ないと思います。しかし、お子様が「良かれと思ってやったけれど、うまくいかなかったとき」、「やるべきことをやったけれど中途半端であったとき」などは、頭ごなしに叱ってしまうと、お子様は落ち込むだけではなく、大きく否定されたような気持ちになってしまい、その後の行動に影響が出てしまうことがあります。
例えば、漢字テストがあるとわかっているのに全然練習をしていかずに0点だったときは、強く叱らなければなりません。しかし、漢字テストの範囲を間違えて練習していき、結果として0点だったときなどは、頭ごなしに叱るのはよくありません。「漢字テストの練習をしていかなければならない」という気持ちはそこにあったわけですから、0点という結果だけを見て叱られてしまうと、お子様は「漢字練習をした」という行動まで否定されたように感じてしまいます。
さて、ここからがポイントです。練習範囲を間違えて0点をとってしまったとき、どのように叱るのが効果的なのでしょうか。
① まず「0点であったこと(範囲をちゃんと聞いてこなかったこと)を叱る」、次に「範囲を間違えてはいたけれど漢字の練習をしていたことは評価する」。 ② まず「範囲を間違えていたとはいえ、練習をしていたことを評価する」、次に「0点であったこと(範囲を間違えてしまったこと)を注意する」。
どちらの叱り方が良いかは、お子様の性格や状況にもよりますので、一概には言えませんが、私は②の方法をとっています。お子様の気持ち(叱られる側の気持ち)に立った場合、初めに否定されてしまうと、「全て」を否定されたように感じてしまうことがあるからです。その後からフォローするかのように褒められても、それでは褒められたことが「付け足し」程度にしか感じられないのではないでしょうか。「全て」が否定されたように感じ始めると、お子様はおどおどしたり、自分から行動をとらなくなったり、言い訳ばかりを探すようになったりします。
以前も書かせていただきましたが、お子様の「叱り方」や「ほめ方」には決まった方法はありません。ただ、ひとつ申し上げられるとすれば、お子様の気持ちを考えて叱ったり、褒めたりしなければならないということです。「きっと叱られるだろうな」と思っているときに叱られれば、それは納得がいきますし、次にもつながっていくものです。
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