『本気でやる子を育てる ~新学期開講にあたり~』
2020.04.10
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、政府から「緊急事態宣言」が出されました。それに伴い、各自治体でもいろいろな対策や要請が出されているようです。世界規模で感染が拡大する中で、毎日の生活にもさまざまな変化が起こってきています。保護者の皆様もさまざまお考えになることもあるかと思います。
早稲田アカデミーでは、4月8日(水)に新年度・新学期開講を予定しておりましたが、政府からの要請・社会情勢などを考慮し、新学期開講日を4月13日(月)からとし、Webを利用した「双方向Web授業」にて、生徒へ向けた授業・指導を実施させていただくこととなりました。報道されているような新型コロナウイルスの感染拡大の中で、何よりも優先するべきは「お子様やご家族の健康と安全」であり、さらには「地域社会への感染拡大防止」であることは言うまでもありません。ただ、小学生・中学生の皆様にとっては「学習・教育」も未来を創るという視点では、非常に大切なものです。小学校から大学までの「学校」が休校となる中で、お子様が「安心して学習できる環境」をしっかり提供させていただくのは、学習塾・進学塾としての使命だとも思っております。「外出自粛」「stay home」という言葉が毎日ニュースから流れる中で、ご家庭にいたまま一定レベルの塾の授業が受講できるということに対しては、多くの皆様にご賛同いただけると、個人的にも考えております。
近年、多くの学習塾・進学塾がICT教育に取り組み始めていました。実は早稲田アカデミーでもWebを利用した指導を検討しておりました。実際に「プログラミング教室」や「オンライン英語授業」は各校舎でスタートを切っています。そのために早稲田アカデミーのほぼ全ての校舎にWi-Fiが使える環境が整備されていました。また、全校舎で2,000台以上のタブレット端末(iPad)も配備されています。その環境をフルに活用することで、今回の「双方向Web授業」をご提供させていただくことが可能になったのです。ただ、通常授業におけるICTの活用はまだまだ検討段階であった中での急遽の切り替えとなりますので、また私共にとっても初めてのこととなりますので、「画面が見にくい」「音声が聞き取りにくい」といった場面が出てくることも考えられます。現在、急ピッチで開発と準備を進めている段階ですので、ご期待いただくとともに、状況をご理解いただければと考えています。
新型コロナウイルスへの対応については、ここまで多くのご意見をいただいてまいりました。政府や自治体からの発表や要請なども考慮し、一時的に授業を休講とさせていただいた時期もあり、また感染防止へ向けたガイドラインが出されたタイミングでは、「感染防止対策」を徹底することで授業を実施させていただいた時期もあります。私たちにとっても経験のないことですし、日々の状況が刻々と変化していく中での対応でもあり、保護者の皆様へのご案内の遅れや不備なども多々あったことかと思います。ご心配をおかけし、大変申し訳ありませんでした。一方で、ここ数日間においては保護者の皆様と電話などで会話をさせていただいた際に「先生方も本当に大変ですね。お身体に気を付けてください」と労いのお言葉をかけていただくことが増えてきております。私などよりも医療関係や生活に欠かせないものを扱うお仕事をされている皆様の方が、ずっと大変な思いをなさっていると思います。また、テレワークなどで普段とは違う環境でお仕事をされている方も、きっと多くの苦労をなさっていることとも思います。そんな中でも我々に温かいお言葉をかけてくださるのは、早稲田アカデミーがご家庭にいらっしゃるお子様のことを考えた対策を真剣に考えさせていただいていることをご理解いただいているのだと、本当にありがたく思う次第です。また、お子様の教育という点において、皆様のご期待を強く感じる瞬間でもあります。
「本気でやる子を育てる」……早稲田アカデミーの教育理念です。創業以来、この理念のもと早稲田アカデミーは生徒を指導してまいりました。それぞれの受験、それぞれの志望校という大きな目標に向けて、本気で高いやる気を持って取り組むことで、目の前の難しいと思われる課題にも果敢に立ち向かい、その一瞬一瞬の経験が、階段を一段一段上るように、お子様方の学力向上につながっていきます。そして、目標に向かって真剣に取り組んだ経験は、単に受験校合格という通過点だけではなく、その先の将来へ向けた大きな経験となるはずです。その教育理念を実践する場が各校舎の「教室」でした。
残念ながら、現在は「教室」での授業を展開することは避けなければならない状況です。教室における対面授業の中での先生の目配りや声かけ、同じ目標を持ったライバルと切磋琢磨する空間、その中でお子様方の「やる気」は高められていきました。今回の「双方向Web授業」は対面ではありませんが、実際にお通いの校舎の担当講師が、それぞれのクラスの状況に合わせて授業をさせていただきます。「双方向」とは言っても、普段の教室の授業よりも制限はありますが、お子様の「本気・やる気」につながる授業を展開させていただくことができる環境を整えることができたと思っております。
映像配信授業にもいくつかのスタイルがあります。単に知識やノウハウを伝達して覚えるだけならば、一方通行の(予備校型と呼ばれるような)映像授業も効果があります。ただ、今回早稲田アカデミーが選択した「双方向」の授業は、ある程度習熟度別に分けられたクラス単位において、お子様の状況を把握した講師が授業を行うことによって、「知識を覚える」だけではなく「自ら考えながら参加する」ことが実現できます。現状の成績だけではなく、特に受験学年においては10カ月後にせまってきている入試における志望校から逆算した指導も行えます。
固い表現での説明となってしまいましたが、何よりも生徒たちは我々の授業を受けられることを喜んでくれているようです。春期講習会で担当した小学校3年生のお母様からは「子どもが『Web授業でもシールもらえるのかなぁ』と言っているんですけれど……」というお話をいただきました。残念ながら、その場で画面の向こうの生徒にシールを渡すことはできませんけれど、楽しみにしてくれている様子が伝わってくるお話でした。 あるお母様からは「私も見ていいんですか。楽しみにしているんです」というお話もうかがいました。きっと早稲アカの先生の授業ってどんなものなんだろうというご興味をお持ちの方がたくさんいらっしゃることと思います。私は「お母様がご覧になっていただいてもかまいませんが、お子様が集中できない状態だと困るので、お子様とご相談ください」とお答えいたしました。「そんなにずっと見ているわけじゃないですよ、チラッと……ね」とおっしゃっていただいたのですが。講師の中にも、画面の向こうに生徒だけではなく保護者の皆様がいらっしゃる可能性があるということについて、少し緊張しているものもおります。画面の中でぎこちない動きをしている講師がいるかもしれません。数回授業をすれば慣れると思いますので、ご容赦いただければと思います。
「双方向Web授業」においても、早稲田アカデミーの「本気でやる子を育てる」という教育理念は変わるものではありません。ご家庭で授業を受けることで、お子様方が学習に対して前向きな気持ちになり、将来の目標へ向けて一歩踏み出すことができるように、全力で応援させていだきます。ご期待ください。
このブログは、毎週水曜日と金曜日の週に2回更新させていただいております。今回の新型コロナウイルス対策の準備の中で、前回(4月8日)は休載とさせていただきました。また、来週の水曜日と金曜日(4月15日・17日)も「双方向Web授業」の関係で休載とさせていただく予定となっております。次回の更新は4月22日となりますので、それまでお待ちください。
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