『困ったときはご相談ください』
2020.07.15
少し前から書かせていただいている通り、早稲田アカデミー各校舎では、いま「夏」へ向けた準備を進めています。新型コロナウイルスの影響で、学校の予定もまだはっきりしないところもあるようですが、この夏に、お子様方に一歩「先」へ進んでいただくために、しっかりと授業を展開してまいります。例年よりも、家庭学習時間などを確保するのが難しいと思いますので、集中して学習密度を高める必要があります。この点に関しては、夏期講習会が始まる前に、お子様とお話しいただくとよいと思います。
中学受験へ向けたカリキュラムを進めていく中で、たくさんの「焦り」や「不安」を感じられるのではないでしょうか。お子様自身が「焦り」や「不安」を感じることもあるでしょうが、それ以上に、保護者の皆様の方がそれを強く感じることがあるはずです。特に今年は、新型コロナウイルスの影響で、将来に対する「不安」はより大きくなっているかもしれません。はっきりとした「心配」というよりも、このままでよいのだろうかという「漠然とした不安」を感じている方もいらっしゃるでしょう。こと「学習」や「入試」に関する「不安」は、ぜひ我々講師におっしゃっていただければと思います。
入試に関する不安について、大人はそれまでの自分の経験から、入試という最終的な目標を(子どもと比較をして相対的に)より大きなものとして感じることがあります。また、入試までの日数も、そこまででできることが逆算できる分だけ、お子様よりも短く感じてしまうでしょう。
一方で、中学受験に関しては、「知識」として研究することはできても、実感としてそれをとらえることはなかなか難しいものです。入試問題を見ても、現時点のお子様の状況から、そこまでたどり着く道筋はなかなか見えてこないのではないでしょうか。逆に、道筋のあまりの「遠さ」に「不安」を感じてしまうこともあるはずです。ご兄弟が入試を経験されていれば、ある程度はつかめることもあるかもしれませんが、それでも「いまの状態から最終的なゴールまで、本当にたどりけるのか」という気持ちは常につきまとうものだと思います。
そういった「焦り」や「不安」は、やはり塾の講師にご相談いただくのが、一番よい方法です。相談というよりも、気持ちをぶつけていただくという表現の方が適切かもしれません。我々は毎年多くの受験生を担当しておりますので、どのように進めていけばゴールまでたどり着くのか、そのゴールに対していまどこまで近づいているのか、という点については理解して指導を進めています。保護者の皆様の「焦り」や「不安」を完全になくすことは難しいですが、軽減することはできるはずです。
さて、塾の講師に相談するときのポイントを二つアドバイスさせていただきます。 一つ目は、お子様を直接担当している講師に相談をすることです。私も早稲田アカデミーにお子様を通わせている保護者からのご相談をいただくことがよくあります。ときには他の塾に通わせているけれど……、という方からもご相談をいただきます。模試の結果数値などから、志望校合格の可能性などをアドバイスさせていただいたりもするのですが、実際にそこでお話しできるのは一般的なことでしかありません。模試の偏差値や得点はあくまで現在の到達点でしかありませんから、ここからどれくらい伸びていくかという点に関しては、お子様の状況を見なければわからない部分が多くあります。性格やタイプもそうですし、そこまでの学習状況(蓄積されている学習)もあります。何よりも、中学入試の場合は「精神的な成長」が大きなカギを握りますので、どのような精神的成長段階にあるかを見なければ、どんなに経験のある講師でも、お子様の未来・将来を占うことはできないものです。
二つ目のポイントです。的確なアドバイスを求めるのであれば、最終的なゴールとなる志望校の目標をはっきりと塾の講師に伝えることが大切です。たとえば「今の成績だと、どの辺の学校が狙えますか」というご質問にはとても答えにくいものです。まったく塾に通っていなくて、小6になる段階で通塾を始めた場合、一般的には最難関校に合格するのは難しいと言われています。しかし、もちろん絶対に無理なものでもありません。私が担当していた生徒でも、小6になる4月に入塾テストを受験し、合格ラインぎりぎりからのスタートだったのですが、10カ月後には最難関中の一つに数えられる学校に合格を果たした生徒がいました。
目指す学校が決まっているのであればその学校を、まだ明確に決まっていないのであれば、通わせたい中学校としてどのようなご希望があるのかをしっかりとお伝えいただくのがよいでしょう。そうすれば、そこに「届くか届かないか」という「占い」のようなアドバイスではなく、そこまでの道筋をどのように考えていけばよいのかというアドバイスをさせていただくことができます。全体的な成績によるマイルストーンだけではなく、科目ごとの学習指針や、必要となる講座、学習時間、教材などについてもお話しすることもできるようになります。「大丈夫です。」「だいたいこの辺りの学校なら目指せます。」という漠然とした内容ではなく、これからの、より具体的な方向性の話を聞くことで、「焦り」や「不安」は軽減されるはずです。
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