『学習に取り組む「きっかけ」』
2020.07.29
新型コロナウイルスの状況に関しては、まだまだ予断を許さない状況下にあるようです。連日のニュースでも全国の感染状況が報道されており、対策の徹底も呼びかけられています。「感染防止対策」が呼びかけられてから、ある程度の期間が経過していますので、慣れてきてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。先日、武蔵小杉校に登塾してきた生徒が、廊下に置いてある「アルコール消毒液」を使わずに教室に入ろうとしていたので注意しました。マスクを嫌がる生徒はいなくなってきたようですが、慣れによるちょっとした「気の緩み」も気になっていますので、ご家庭でもお子様にお話しいただければと思います。また、早稲田アカデミー各校舎でも「感染防止対策」は徹底してまいりますが、保護者の皆様が来校される場合もご協力いただければと思います。
さて今年に入ってから、ご家庭でお子様と一緒に過ごす時間が増えている方も多くいらっしゃると思います。学習に向かうお子様のご様子をご覧になりながら、心配されている方も多いのではないでしょうか。先日もあるお母様から「机に向かってから勉強を始めるまでに時間がかかっているみたいで……」というご相談をいただきました。
以前のセミナーでもお話ししたのですが、子どもだけではなく大人でも、何かを始める際、すぐに集中して、一気に進めていくのはなかなか難しいものです。実際に始めてみると、心理学的にいわれる「作業興奮」というような状態に入り、だんだんと集中していくことができるようになっていくものです。
ただ、大人であれば「とりあえず始める」ということができますが、子どもの場合はなかなか難しいと思います。「何度もお母様が言ってやっと始める」「ときにはそれでケンカになる」というようなお話もよく伺います。そういうときには「勉強を始める前に習慣的に行うことを決めておくのも一つの方法です」とお答えすることがあります。その方法について、具体的にいくつか書かせていただきます。
① 軽く体を動かす これは保護者の皆様も経験があるのではないでしょうか。私も集中して原稿などを書こうとする前には、体を動かすことがあります。私の場合は、背筋を伸ばしたり、肩や首を回してみたり、といったレベルですが、小学生の場合は「運動」というレベルでもよいと思います。以前担当していた生徒から、勉強前に縄跳びをする という話を聞いたことがあります。その生徒のお母様からは、雨が降っていて外で縄跳びができないときは、なんとなく集中できていない様子だと伺いました。体を動かすことで、血行が良くなり、頭の働きもよくなるという生理学的な裏付けもあるようです。
② お手伝いを15分間する 「この子、大根おろしが得意なんですよ」というお話をあるお母様から伺ったことがあります。家庭学習を始める前の習慣として、「お手伝いをする」というお子様も多いようです。キッチンでお母様とちょっとした会話をしながらお手伝いをすることで、気持ちが切り替わるのだと思います。①の「体を動かす」ことも考えると、「お風呂掃除」などもよいかもしれません。
③ 学習環境を整える これも私の話ですが、集中して作業をしようというときには「机の上を片付ける」ことから始めます。きれいに片付けたところで、「よしがんばるぞ」と背筋を伸ばして取りかかるわけです。目の前の机に、今日の勉強に必要ないものが置かれていれば、当然集中できないでしょう。きれいに片付けた机に、今日勉強する教材と筆記用具を並べる、それも集中するための一つの方法だと思います。
それ以外にも、「机の前に貼ってある『目標』を声に出して読む」「カレンダーの今日の日付に×をつける」「決まった飲み物を飲む」「小学生新聞に目を通す」といった勉強を始める前の「習慣」を聞いたことがあります。お子様に合った「学習を始める前の習慣」を見つけていただくとよいでしょう。
8月には「夏期集中特訓」が行われます。例年、行われていた「夏期合宿」の代わりとして実施されるものですが、「夏期合宿」と同様に「ハチマキ」をご用意することになっています。この「ハチマキ」も学習に取り組む「きっかけ」としての効果があるものです。授業を始める前に「よし!ハチマキをしっかり巻こう!」と呼びかけて巻かせることで、気持ちが一段階上がります。
「夏期集中特訓」は「対面授業」だけではなく「Zoom」で参加される方もいらっしゃいますが、ご家庭でもしっかりと「ハチマキ」をしめて集中して授業に臨んでいただければと思います。
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