『表情』
2021.08.06
授業中に問題の解説をしているときも、質問にきた生徒に教えているときも、その途中で「ん?」という表情をする生徒がいます。一方で「うん、うん」とうなずきながら聞く生徒もいます。お子様はどちらのタイプでしょうか。
もちろんそれだけで判断することはできないのですが、私の印象では「ん?」という表情をするお子様の方が伸びるイメージを持っています。「ん?」も「うん、うん」もなくて、黙って下を向いていたり、鉛筆や消しゴムで手遊びをしていたりする場合は問題ですけれど……。
解説や説明を聞いていて、「ん?」「あれ?」という表情をする生徒は、しっかりと頭を回転させながら聞いているように感じています。途中まではわかっていたけれど、「あれ?いまのところわかんなかった……」ということに自分で気が付いているわけです。一方で「うん、うん」というタイプは、なんとなくわかった「ふり」をしているだけの場合があります。先生に対しては「聞いていますよ」というアピールをしているのですが、実際には、頭の中で思考が止まっていたり、まったく違うことを考えていたりする可能性もあるように感じています。
講師としては、授業をしているときに、「ん?」というタイプの生徒がいると、実はとても助かるのです。時間がなくて少し早口で解説をしているときに、その生徒が「ん?」っていう表情をしてくれると、「おっと、少しゆっくり教えるか」というように切り替えることができるのです。
塾で身に付けるものは、もちろん各科目の学力ではありますが、それ以前に「授業を受ける方法・授業を受ける力を身に付けることが大切」ということをよくお話ししています。小学校の授業とは違い、塾での授業はその内容も密度が高いですし、先生の話すスピードも速いのが普通です。その授業に慣れること、そして授業で教わったことをその場で理解することがとても大切になってきます。入試を越えて中学校に進学すれば、そこで展開される授業は、やはり公立の中学校よりも密度が高く、スピードも速いもののはずです。中学校でよりレベルの高い授業を受けるためにも、必要なことになるわけです。
「うん、うん」というタイプのお子様に説明するときには、理解しているかどうかの確認をするようにしています。「わかっている?」「わかった?」と聞いても、だいたいの場合は「はい」とか「うん」とかという答えが返ってきます。本人の中でも「なんとなくわかった」と思っているので、ウソをついているわけではないのですが、説明した通りにやらせてみようと思ってもなかなかできないことが多いものです。個別に質問対応をしている場合などは、説明をしていた紙をかくして「先生が書いたのと同じ図をもう一度問題を見ながら書いてごらん」というようなやり方をしてみたり、途中までヒントを与えて「あとは自分でやってきてごらん」とあえて突き放してみたり、というような手法をとったりもします。
ご家庭でお子様が質問をしてきたときなど、お子様の様子をご覧いただきながら、「本当に頭を回転させながら聞いているのか」という点に注意してご覧いただくと良いと思います。
早稲田アカデミーでは、夏期講習会前半授業が終了しております。このブログの更新も夏期講習会後半スタートまではお休みさせていただきます。次回の更新は8月18日(水)にさせていただく予定となっておりますので、ご了承ください。
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