四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『字の書き方』

2024.03.01

「なかなか字をきれいに書こうとしません。どうしたらよいでしょうか」というご相談をいただきました。新学年での学習がスタートしたタイミングでもありますので、今回は、字の書き方について書かせていただきます。


私がよくお話しするポイントなのですが、まずは「きれいな字を書く」ことよりも、「読みやすい字をなるべく速く書く」ということを優先させるのがよいと思っています。字には人それぞれの個性がありますし、ノートや解答用紙に書く字は、「ペン習字」ではありませんので、時間をかけて丁寧に書くのはそれほど大切なことではありません。一般的に「きれいな字」といった場合、全体のバランスがよい字を指すことが多いようです。一画一画の長さのバランスであったり、点を打つ場所であったり……。もちろん、それらも大切なことではあるのですが、まずは「読みやすい字」を書くことを意識するとよいでしょう。
 
さて、「読みやすい字を書く」ためのアドバイスなのですが、今回は二つのポイントを挙げさせていただきます。一つは筆記具を見直すこと。もう一つは、実際に書かれた字をしっかりと見せてあげることです。


最近の小学生でたまに見かけるのが、薄くて流れてしまっているような字です。筆圧が弱いことが一つの要因になっていると思います。この場合は筆記具を変えることで改善される場合があります。鉛筆の芯が硬すぎて薄い字しか書けないような場合は、柔らかい芯(Bとか2B)を使うことで字が濃くなり、トメ・ハネもしっかりしてくることがあります。逆に、より硬い芯を使わせることで、筆圧そのものを強くしていく方法が効果的なケースもあります。以前うかがった話で、漢字練習をするときに、鉛筆ではなくボールペンを使わせたら字がしっかりしてきたというケースもありました。お子様といろいろと試してみていただければと思います。
また、急いで書くために「線が流れて」いるような字になっている場合があります。「新しい漢字は〇回書きなさい」というルールを決めていると、マス目を埋めるために急いで書こうとしてしまい、結果として字体がしっかりしていない字になっている場合もあります。さらに、急いで書くと途中で線が一本足りなかったり、多かったりしても、それに気付かずに間違ったまま覚えてしまうという危険性もあります。


最近の小学生は「手で書かれた文字」を見る機会が減ってきていると言われています。古くは「ワープロ」、現在は「パソコン」などから打ち出された文字がほとんどで、他者が書いた文字を見る機会はかなり減っています。私が小学生のころは、学校からのお手紙は「ガリ版」で先生の手書き文字がわら半紙に印刷されていました。字がとてもきれいで読みやすい先生がいらしたことを覚えています。その後、コピー機が普及してきても、先生の作られる「学級通信」などは手書き文字だった記憶があります。ただ、最近は先生の「手書き文字」に触れる機会は大きく減っているのではないでしょうか。授業中の黒板やホワイトボードに先生が書かれる文字は、やはり紙に書く字とは違いますし……。もしよろしければ、お母様やお父様の字を見せてあげるようにしてください。たとえば、宿題ノートをチェックするときにひと言書き添えてあげるのもよいと思います。私の担当していた生徒でも、お母様とそっくりな字を書いている生徒が何人もいました。


最後に、やはり「速く書く」ということにもご留意いただければと思います。書道のようにじっくりと丁寧に書けば、ある程度は読みやすい字にはなるはずですが、急いでいたとしても読みやすい字が書けるようになっておくのも、中学入試のことを考えると必要だと考えています。

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