四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『主人公は受験生。』

2018.02.07

2月1日のお昼過ぎのことです。本社のある池袋から、校舎へ移動するために電車に乗っていました。吊革につかまって立っていた私の横に、中学受験生らしい親子連れが乗ってきました。「がんばってきたんだろうなぁ……」と思いながら見ていたところ、目の前の席に座っていらした女性がスッと席を立って、受験生のお母様に声を掛けられました。「お子さん、お疲れでしょうから座らせてあげてください」と席を譲られたのです。もしかしたらお子様が中学受験を経験した方なのかもしれません。もしくは、来年以降の受験を考えている方かも。


私の勤務している校舎では、小学校5年生のお母様から「先生方に」という差し入れを頂戴しました。お礼を申し上げたところ、「なんかちょっとでも入試に参加した気持ちになりたくて……」というお返事をいただきました。「受験生を応援している先生たちを、少しでも応援できたら……」というようなお言葉も添えていただき、本当にありがたく頂戴いたしました。


今日は2月7日です。首都圏の中学入試のほとんどが終わりました。実は、東京と神奈川の公立中高一貫校の合格発表が今週の金曜日・土曜日に行われますので、それらの学校を受検している方にとっては、まだ進学先が決まっていない中ではありますが、早稲田アカデミーの各校舎では中学校へ向けた「中1準備講座」も今日から始まっています。


今年の中学入試もさまざまなドラマがありました。一人ひとりの受験生を「主人公」とした、多くのドラマが……。自分ひとりの力で入試という高いハードルを乗り越え、自分の未来を切り拓いていくということは、12歳の受験生にとっては大きな「試練」だと、毎年思います。しかし、だからこそ、中学受験を通して子どもたちは大きく成長をしてくのです。


今年もいくつかの入学試験の会場に行ってまいりました。試験会場に入る直前に握手をして、声を掛けて最後の激励を行うためなのですが、受験生よりも早い時間から行っていますので、待っている時間が比較的長くあります。そんな中、頭にめぐってくるのは、受験生たちのこれまでのことです。早稲田アカデミーに初めて来たときのこと、小学校3年生や4年生のときの様子、成績が悪くて落ち込んでいたときのこと……などなど。そして、やってきた受験生の顔を見ると、ハッとすることが多くあります。ついこの間の授業ではまだまだ頼りない顔をしていたのに、急に大人びてたくましくなったような顔になっていることに気づかされたりもするのです。


「さまざまなドラマ」をここで一つひとつ書くことはできませんが、あるお母様から伺ったお話をひとつだけご紹介させていただきます。憧れていたけれど、成績的には厳しい中学校の受験に臨むときに、お子様がお話しになった言葉を教えてくださいました。


「僕の力では厳しいのはわかっている。
でも、憧れていた学校だから挑戦して悔いなく終えたい。
もし受けていたら……と言うのは嫌だから。
それに、僕がこのクラスから〇〇に受かったら、大金星だろ?
お世話になった早稲田アカデミーの先生たちに合格をプレゼントしたいんだ……」


この言葉をお聞きになったご両親は、お子様が大きく成長したことをお感じになったそうです。私も小学校4年生のときの彼のことを思い出して涙がこぼれそうになりました。


中学入試という「ドラマ」の中でひと回りもふた回りも成長した生徒たちには、これからの未来がきっと輝くと信じています。

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