四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『夏の読書』

2019.07.19

早稲田アカデミーでは、7/21(日)から夏期講習会期間に入ります。各校舎・各講師は、それぞれのクラスの授業が充実したものになるように、準備を進めている真っ最中です。今回は「夏」に国語力を上げるというテーマで書かせていただきます。


保護者の皆様のなかには、夏休みにたくさん読書をした経験のある方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。小学校で「読書感想文」が宿題に出されることもあり、「夏は読書」とお考えの方も多くいらっしゃることでしょう。私も小学生から大学生まで、夏にはかなり読書をしていた記憶があります。中学生くらいのときには、夏休みになると近所の図書館によく行っていました。もっとも、図書館はエアコンが効いていて涼しかったせいもあると思いますが……。早稲田アカデミーにお通いの皆様にも、できれば夏に読書をしていただければと思います。「この夏の1冊」といえるような本に出会えれば、それはとても幸せなことだとも思うのです。


一方で、読書があまり得意でないお子様の場合、「夏になったから本を読みなさい」と言われても、なかなかうまくはいかないものです。「読書感想文」が宿題で出ているから、と図書館から借りてはきたものの、結局表紙も開かないまま返しに行く、ということもあるかもしれません。そういったお子様に向けて、私は「1学期中のテキスト(予習シリーズなど)の文章を読む」という課題を出すことがあります。先日のクローバーセミナーでもお伝えしたのですが、国語力を高めるためには、まず文章を読んでその内容を理解することが必要です。読書が得意ではない(好きではない)お子様や国語を苦手にしているお子様の場合、文章を読んでもその内容がしっかりと頭の中に入っていないことが多くあるはずです。テキストの文章も、問題を解くためにただ目を通しただけで、本当の意味での「読む」という状態にはなっていないことが多いでしょう。


各学年のテキストには、その学年よりも上の年代を対象とした文章が掲載されています。例えば小学3年生のテキストであれば、普通は4~6年生(場合によっては中学生)レベルの文章が出題されているわけです。そのため、まだそのレベルの文章に慣れていない状態で読んでも、1回ではなかなか理解できないことが多いでしょう。ただ、ある程度そのレベルの文章に慣れてくれば、また、初めて読んだときよりもお子様が精神的に成長してきていれば、次に読んだときには理解できる部分も多くあるはずです。「1学期中のテキストを読み直す」という課題指示は、上記のような効果を狙ってのことです。初めて読んだときには気が付かなかった内容を、改めて読み直し理解することで、読解力向上の効果が見込めるはずです。


このときに注意をしていただきたいのは、あくまでも「読む」ことを目的として行う、ということです。「せっかく読むんだから、もう一回問題も解きなさい」というお気持ちもわからなくないのですが、そうすると「解くために読む(目を通す)」という作業になってしまい、お子様の中で「読んで理解する」という気持ちが薄れてしまうことにもなってしまいます。ですから、このときには「解く」ことは必要ないのです。


お子様がテキストで読んだ文章に興味を持ち、その続きを読みたくなったときには、ぜひ一緒に探してあげてください。図書館や書店はもちろん、最近はネットで見つけることもできるはずです。興味を持ってその本を読み進めてくれれば、読書を楽しむ一歩になることでしょう。

同じテーマの最新記事

2019.07.19 『夏の読書』
2019.07.17 『理文選択 ~文系と理系②~』
2019.07.12 『雪が解けたら…… ~文系と理系①~』
2019.07.10 『宿題のルール』
2019.07.05 『子どもを叱る……』
早稲田アカデミー