四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『夏休みに記述力・表現力のUPを』

2019.08.02

関東地方も梅雨明けとのニュースが入ってきました。例年よりも1週間程度遅いそうですが、いきなり真夏日の連続で、一気に暑さが増してきました。皆様方も暑さ対策などご留意ください。


今回は「記述力・表現力」というテーマで書かせていただこうと思います。


中学入試の問題では「記述式」の設問が各科目で出題されます。国語だけではなく、理科や社会でも、場合によっては、算数でも出題されることがあります。「記述が苦手でいつも空欄にしてしまう」というご相談を受けることもあるのですが、掘り下げていくとその要因はさまざまで、対処法も異なります。


一般的に国語の説明的文章や、理科・社会の記述問題の場合、必要となるのは論理的な説明能力です。問われていることに対して、きちんと因果関係を把握し、必要な語句を選別し、わかりやすく簡潔にまとめることが必要になります。記述解答をつくり上げる過程(流れ)には、科目による大きな違いはありません。ただ、「必要語句の選別」の部分については、科目によって異なります。国語の説明的文章であれば、文意・文脈を把握して基本的には文中から重要語句を選ぶことになります。一方で、理科・社会であれば、今までに学んできた知識から必要なものを考え出す(思い出す)ことになるわけです。この解き方が理解できていれば、記述問題を空欄にしてしまうことはほとんどなくなるはずです。さらに文章としてうまくまとまっていなくても、必要語句がきちんと選べていれば、部分点がもらえることもあります。


実は今回書かせていただきたい「表現力」は、上記のような、ある種テクニック的な「記述解法」(記述問題の解き方)についてではありません。「知識偏重型からの脱却」「思考力重視」を目的としている「大学入試改革」の影響を受けて、最近の中学入試問題でも、自分の意見や考えを書かせるような傾向の記述スタイルが各科目で多くなってきています。「言葉を探してきてまとめる」というのではなく、「自分の頭の中にあることを言葉にする」という言い方がわかりやすいでしょうか。


「解法テクニック」ではない、このような「表現力」は一朝一夕に身に付くものではありません。さまざまな場面でトレーニングをしていく必要があります。小学校で出されている夏休みの宿題の「読書感想文」もトレーニングとしては効果的なもののひとつです。単にストーリーを要約して「面白かった」「かわいそうに思った」などの感想でまとめる「読書感想文」ではなく、もう少し深く考えた「読書感想文」を書くことで「表現力」のトレーニングにつながるはずです。そのためには、保護者の皆様の協力も必要です。とは言っても、大変な作業が必要なわけではありません。私がおすすめしているのは、「読書感想文」を書く前に、その本に関してお子様と会話をするという方法です。


本を読んだ後、お子様方の頭の中にはさまざまなイメージや感想が残っています。しかし、それをそのまま原稿用紙に言葉として表現するのは小学生には難しいものです。頭の中にあるものが整理されていないのもひとつですし、またそれを表現するための語彙も不足しているはずです。お父様やお母様と会話をすることで、頭の中は整理されていきます。そして、うまく表現できないような感情などは、少し使う言葉をアドバイスしてあげてください。お子様と読んだ本についての会話をしていくきっかけとしては、「お母さんも読んでみようと思うんだけど」「どんな場面が印象に残っている」というように進めていただくのがよいと思います。あくまでお子様の感想を引きだすのが目的なので、誘導的に進めるのはよくないということも付け加えておきます。


また、最近の小学校では出されなくなっているそうですが「絵日記(日記)」も表現力を高めるためのトレーニングとしては効果的です。ただ、毎日のことなので続けるのはなかなか大変ですし、ともすれば形だけのものになってしまいがちです。「今日は昆虫採集をした。カブトムシが3匹とれた。帰ってから塾の宿題をやった」そんな記述が続いていくことになるでしょう。「日記」というよりも「日誌」と呼ぶようなものになっていくのが普通です。書く中身を充実させて、表現力をトレーニングしていくためには、「お母様との交換日記」スタイルにするのもひとつの方法です。「もう一歩つっこんで書いてほしい」というような場合には、お母様がそこに一言添えるようにするわけです。「カブトムシ3匹! すごいね! 楽しかったかな?」とか、「塾の宿題は大変だった? おもしろかった?」というような「問いかけ」形式で書き込んでいくわけです。「お母さんが読んでくれている」と思えばうれしいでしょうし、書くという作業にも、さらには「書くことを考える」というところにも力が入るはずです。そしてどういうことを書きこめばよいのかなども理解してくることでしょう。


前回の記事にも書かせていただきましたが、夏期合宿期間中、夏期休業期間中はこのブログの更新をお休みさせていただきます。今回の更新で少しお休みさせていただき、夏休み後半は8月21日(水)から再開させていただく予定となっております。皆様、充実した夏をお過ごしください。

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