四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『国語の学習法アドバイス』

2021.08.20

今回は、国語の家庭学習について書かせていただきます。
保護者の皆様から「家ではどんな風に教えればよいのかわからない」というご質問をいただいたり、生徒から「どうやって勉強すれば国語の成績が上がるのか」という相談を受けたりすることがあります。


国語は、他の科目と比べた時に学習方法にいくつかの「違い」があります。
「算数では正解が一つしかないけれど、国語ではそれがいくつもあるように思えて……」というような話を聞くことがあるのですが、それは半分正しく、一方で少し言葉が足りないようにも思います。もちろん国語の記述問題などでは「部分点」などもつきますし、自分の意見を書かせる問題などでは、答えが複数あるように感じることもあるでしょう。しかし、そこにはある程度はっきりとした採点基準があり、算数と同じように厳密に○×がつくのです。では、どのような点が一番大きな違いかというと、それは「考える」過程がはっきりとわかるかどうかという点です。


算数では問題を読んだところから、答えを出すまでの「考える」過程がはっきりとわかります。なぜなら、それが図や式などの形でノートに残るからです。一方で国語の問題はその過程がノートに残ることはほとんどありません。その点において、国語の勉強の仕方がよくわからないという生徒の気持ちはよくわかります。


選択肢の問題で「どうしてそれを選んだの?」という問いかけに対して、どのように考えたかという思考過程を含めて、きちんと説明できる生徒はまずいません。頭の中では考えていたのに、その思考過程を追いかけて説明できるほどには整理ができていないからでしょう。結果として「なんとなく」というような答え方になってしまい、それをお聞きになった保護者の皆様は「ちゃんと考えていないのね」と感じ、より不安を募らせるということもあるはずです。


文章を読むときに、なんらかの形で考えた(読んだ)過程を残しておきたいと思う生徒は、読みながら文章に線を引いたり、印をつけたりしますが、効果的な形で実行できているケースは少ないようです。


むやみやたらと文章に線を引いている生徒に対しては、まずは線を引いたり印をつけたりしなくていいから、じっくりと読んで、しっかりと文章全体を頭の中に入れる学習から始めることをすすめています。よくおすすめするのは、塾で扱った過去のテキストの文章を「解く」ためではなく、単純に文章として「読む」学習です。一度扱った文章ですが、多くの場合、書かれていた内容は頭に入っていないはずです。


また、問題を解くときには本文中のどこを根拠にして、その答えを選んだのか(考えたのか)をはっきりさせるようなトレーニングも効果的です。選択肢問題の場合、それで間違えたとしてもかまわないのです。自分はこう考えたけれどここのところで間違えた、という見直しができるようになってくれば、次に同じような問題が出題されたときには、同じ間違いをすることがなく、正解にたどり着くことができるはずです。記述の問題であれば、初めのうちはいきなり文章にしてマス目を埋め始めるのではなく、書き込むべき要素を書き出してからまとめるようにするのもひとつの方法でしょう。


いずれにせよ、国語の問題を解く際の自分なりの「解答フォーム」を形づくるようにすれば、国語の学習そのものが嫌いではなくなり、それに伴って成績も向上していくと考えています。

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