『叱る方法』
2022.07.08
毎日の生活の中で、お子様を叱らなければならない場面は、当然あるでしょう。親子ですから、ときには感情的に叱ってしまうこともあるはずです。私は、それはそれでよいと思っています。叱られることで、お子様の気持ちが落ち込むこともあるかもしれません。しかし、まったく叱られずに育つよりも、悪いことは悪いとしっかり教わって育った方が、子どもの将来にとってはよいはずです。
ただ、保護者の皆様に、少し頭の中に置いておいていただきたいことがあります。それは、叱り方です。「悪いこと」をしてしまったとき、もしくは、「やらなければならないこと」をまったくしなかったときには、頭ごなしに叱っても問題ないと私は思います。しかし、お子様が「良かれと思ってしたけれどうまくいかなかったとき」、「やるべきことをやったけれど中途半端であったとき」などは、頭ごなしに叱ってしまうと、お子様は落ち込むだけではなく、大きく否定されたような気持ちになってしまうため、次に影響がでてしまうことがあります。
たとえば、漢字テストがあるのはわかっているのに、まったく練習をしていかずに0点をとったとします。この場合は強く叱るべきだと思います。しかし、漢字テストの範囲を間違えて練習していき、結果として0点だったときなどは、頭ごなしに叱るのはよくないと思うのです。「漢字テストの練習をしていかなければならない」という気持ちはそこにあったわけですから、0点という結果だけを見て叱られてしまうと、漢字練習をしたという行動まで否定されてしまったようにお子様は感じてしまいます。
さて、ここからがポイントです。練習範囲を間違えて0点をとってしまったとき、どのように叱るのが効果的なのでしょうか。
①まず「0点であったこと(範囲をちゃんと聞いてこなかったこと)を叱る」、次に「範囲を間違えてはいたけれど漢字の練習をしていたことは評価する」。 ②まず「範囲を間違えていたとはいえ、練習をしていたことを評価する」、次に「0点であったこと(範囲を間違えてしまったこと)を注意する」。
どちらの叱り方がよいかは、お子様の性格や状況にもよりますので、一概には言えませんが、私は②の方法をとっています。お子様の気持ち(叱られる側の気持ち)に立った場合、初めに叱られてしまうと、「すべて」を否定されたように感じてしまうことがあります。その後でフォローするかのようにほめられても、そこは「付け足し」程度にしかとらえられないはずです。「すべて」が否定されたように感じ始めると、お子様はおどおどしたり、自分からは行動をとらなくなったり、言い訳ばかりを探すようになったりします。
よくお話しすることなのですが、お子様の「叱り方」や「ほめ方」には決まった方法はありません。ただ、ひとつ申し上げられるとすれば、お子様の気持ちを考えて叱ったり、ほめたりしなければならないということです。「きっと叱られるだろうな」と思っているときに、叱られれば、それは納得がいきますし、次にもつながっていくはずです。
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