『テストに真剣に取り組む』
2025.02.28
今週に入ってから、やっと暖かくなってきました。新学年がスタートして約一か月が経ちましたが、お子様の学習は順調に進んでいらっしゃるでしょうか。そう尋ねられて、「はい、順調です!」とお答えになる方は少ないでしょう。新学年になって、まだ一週間の学習ペースがつかめていなかったり、難度が上がった宿題に手間取ったり、という方がほとんどだと思います。新小3はマンスリーテスト、新小4は組分けテストと、3月には大きなテストも行われますので、今回は「テスト」について書かせていただきます。
前回のブログで、精神的な成長の途中にいる小学生にとって、学習効果を高めるために一番必要なことは、「ひとりで真剣に学習に取り組むこと」と書かせていただきました。授業中に真剣に取り組ませるのは講師の役割ですが、そこでは教わった内容が「わかる」という段階でとどまります。しかし、実際に「わかった」学習内容を「できる」ようにするためには、「自分の力で真剣に取り組む」ということが不可欠です。しかし、小学生にとっては、「ひとりで」真剣に考える、というのはなかなか難しいものです。小6受験生になっても、まだまだ11・12歳のお子様ですから、「集中力」「自制心」などの面が大人になりきれていないのは当たり前です。
家庭学習においては、「真剣に」取り組める環境を用意するのは、保護者の皆様の働きかけによるところが多くなります。最難関校に合格した生徒のお母様から以前うかがった話です。お子様が「家では集中できないので、図書館で勉強したい」と言い出したそうです。確かに家には兄弟もいるし、早稲田アカデミーは夏期合宿期間で校舎が閉まっているし、図書館ならよいかもと思って送り出したそうです。お子様が出掛けて少し経ってふと見ると、今日やらなければならないはずの課題を忘れていったことに気付き、「届けてあげよう」と思って図書館に向かわれたとのことでした。自習室にいるお子様を見つけて近寄ったら、そこには図書館にある漫画を積み上げて読んでいる姿が……。お母様は嘆かれていましたが、自習室や図書館で真剣に取り組めるのは中学生も高学年になってからだと、私は考えています。
さて、小学生が一番「真剣に問題に取り組む」のはどのタイミングでしょうか。私のイメージでは、授業中に問題を解かせているときは真剣度70%、家庭学習では50%、その程度だと思っています。家庭学習での真剣度が70%を超えるようになれば、かなり成績的には向上してくるという感覚です。しかし、逆の言い方をすれば、このレベルの学習では、「できない」問題が自分で「できる」ようになる、つまり「階段を上がる」のには不足しているのです。
小学生が100%の力で問題に取り組むのは、「テスト」を受けているときだと、私は考えています。授業でも家庭学習でも真剣になり切れない要因の一つとして、「依存心」が挙げられます。子どもには、「できなければ先生に(お母さんやお父さんに)教えてもらえればよい」という気持ちが必ずあるものです。問題を読んで少し難しいと感じたら、もう一歩踏み込めば「できる」はずなのに、そこで考えるのをやめてしまうことが多くあります。しかし、この「もう一歩」ができるための「大きな一歩」なのだとお考えください。
テストでは誰しもが「よい点数」を取りたいと思っています。ただ、テストを受けている間は誰も頼ることはできません。自分の力で考え切る以外、方法はないのです。「難しい」と感じた問題でも諦めずに真剣に考えてみる、その考えている瞬間にお子様は階段を一歩上っているのです。たとえ、その難しかった問題が解けなかったとしても、「真剣に考えた経験」によって、成長をしているのです。
早稲田アカデミーでは、小4・小5で隔週の土曜日に、二週間分の学習単元テストを実施する「カリキュラムテスト」を行っています。また、小6では「土曜YT講座」が行われています。これらのテストは真剣に問題に取り組ませることで、単元の学習内容を「定着」させるテストになっています。そして、概ね約4週間分の学習内容をまとめて、小3では「マンスリーテスト」、小4以降は「組分けテスト」が行われるわけです。このテストを「真剣に」ご受験いただけるように、ご家庭でもお話しください。
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