四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『新型コロナウイルスの影響で……』

2020.10.09

新型コロナウイルスの影響はすでに7カ月に及んでいます。振り返ってみると、この期間で早稲田アカデミーの授業スタイルも、私自身の生活も、今までとは大きく変わりました。皆様の毎日も大きく変わられたのではないでしょうか。受験生は、入試まで残り数カ月となり、新型コロナウイルスの影響で入試にどのような変化が出てくるのかが気になってくる頃だと思います。すでに多くの学校で、入試要項が発表になり、いくつか変更点も出てきているようです。面接の実施や出願方法、入試会場などでは「感染防止対策」を考慮した変更が加えられているようです。一方で、一番気になる入試問題にどのような影響があるかという点については、予想するのはとても難しいと考えています。当然、今年の最大の「時事問題」ですので、多くの学校のさまざまな科目で取り上げられるのではないかと個人的には予測していますが、まだ終息していないため、問題として取り上げる難しさも、そこにはあると考えています。


「全世界的に感染が拡大した新型コロナウイルスの影響で、人々の生活に大きな変化がもたらされました。あなた自身の生活で変化したものを考え、その変化によってあなた自身の中で意識が変わったことを書きなさい」。こんな問題を考えてみました。国語もしくは社会の記述問題として出題されそうな内容です。


受験生だけではなく、非受験学年の皆様も時間をとって考えてみてもよいテーマだと思います。「ウイルスの感染」「制限のある不自由な生活」というところから考え始めると、どうしてもネガティブなことを考えてしまいがちですが、それだけではなく、今回の体験で「新たに気付いたこと」「プラスの方向に意識が変わったこと」などを考え、お子様とお話し合いいただくとよいでしょう。


まず思い付くのは、「マスク着用・手洗い・消毒」といった日常生活の変化でしょう。「マスクの不自由さ」といったこともあるとは思いますが、「健康・衛生に対する意識の向上」というところに思い至るのではないでしょうか。さらに自分自身の健康だけではなく、他者に感染させないためと考えることで、他者の健康に配慮するという意識が生まれたというのも大きな変化かもしれません。


日常生活の中での大きな変化としては、友達との遊び方が挙げられるのではないでしょうか。先日、犬の散歩で比較的大きな公園に行ったところ、原っぱで小学生のグループが「『だるまさんがころんだ』をアレンジした遊び」をやっていました。「こんな遊び、いまの小学生もやるんだな」と思っていたのですが、見ているうちに気が付きました。「友人同士での接触がない」「一定の距離をとったまま遊べる」、「ソーシャルディスタンス」が確保された遊びなのだということに。もしかしたら、そういった観点で学校や保護者の方が教えたのかもしれないとも思ったのです。これはあくまで推測に過ぎないのですが……。昔と違ってちょっと面白いと思ったのは、鬼がスマホで静止している友人たちの姿を撮影して、ゲームが終わったあと、みんなでそれを見て笑い合っているシーンでした。成長してから同窓会で見たりしたら、また盛り上がるかもしれませんね。全員がマスクをしていて、「あのときはコロナで大変だったよね」なんていう会話も想像してしまいました。


「自宅で過ごす時間が増えたこと」でもさまざまな変化があったのではないでしょうか。「読書に興味が出てきた」「理科の実験を家でやってみた」「新しく楽器を始めてみた」「料理をやるようになった」「両親との会話が増えた」など……いろいろなことを生徒たちから聞きました。そこからどのようなことを考えたのか、というテーマで話をしていただくのもよいでしょう。


「人とのつながり」という点においても、「遠くに住んでいるおじいちゃんやおばあちゃん」に会えなくなったり、オンラインで会話をしたり、手紙を書いたり……そんなご家庭もあるかもしれません。


お子様にとっての今年一年の「変化」は、新型コロナウイルスの影響によるものだけではないと思います。精神的な成長が著しい小学生にとっては、「成長による意識の変化」の方が大きいと思います。ただ、そこに「新型コロナウイルス」という社会的な大きな「変化」がどのように影響を与えたのか、そんな視点で保護者の皆様もお子様と会話をしていただければと考えています。

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