『「クラス分け」について』
2020.10.16
小学生の学習においてとても大切なのは、お子様の「いま」をしっかりととらえて、その状況に合った学習を進めることだと、私は考えています。
たとえば、スイミングクラブに初めて通うのに、いきなり選手コースから始めることはないはずです。まずは水に慣れるところから、その次はビート板を使ってバタ足の練習をして……、そんなカリキュラムで練習を進めていくはずです。その他のスポーツでも、ピアノなどの楽器の習い事でも、初めからレベルの高いところにチャレンジしていくのではなく、まずはしっかりと基礎や土台を固める、という視点が大切だと思います。
塾ではどうでしょうか。「できれば上位のクラスに」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。最終的に上位の学校への合格を目指すのであれば、偏差値の高い生徒が多いクラスに入っておきたいというお気持ちも理解はできますし、受験学年では上位クラスにいなければ最難関校の入試問題への対応は難しくなってしまいます。しかし、小3~小4の段階では、お子様の「いま」の状況に合っていないクラスで授業を受けていても、成績は伸びないどころか、下がってしまう危険性もあるのです。
「上位クラスの方が『いい先生』に教えてもらえるのでは……」というご質問をいただくことがあります。そもそも「いい先生」というのがどのような先生を指すのかも難しいところなのですが(指導経験の長い先生、熱意のある先生、面倒見のよい先生……など)、進学塾では必ずしもそうではありません。かくいう私も、昨年は小4の真ん中のクラスを担当していましたし、今年は2番手のクラスを10月から担当することになっています。
「上位クラスの方が『カリキュラムが速かったり』『いろいろなことを教えてもらえたり』するのでは……」というご質問をいただくこともあります。ご存知の通り、早稲田アカデミーでは四谷大塚の「予習シリーズ」カリキュラムを使っておりますので、その週に学習する内容はクラスによって大きく変わることはありません。さらに「教える」内容については、場合によっては上位クラスの方が少ないこともあるのです。その週で学ぶべきことが「10」ある場合、上位クラスでは「3」しか教えず、あとの「7」は自分で考えさせるという手法をとることがあります。それまでの学習経験などから、自分で考えることに慣れていなかったり、その科目や単元の学習に未熟な部分を残したりしているお子様の場合、当然「わからない」「できない」部分を多く残してしまうことになります。
早稲田アカデミーでは「マンスリーテスト」や「公開組分けテスト」の結果をもとに、各校舎でのクラス分けは実施しています。10月の初めに実施されたテストでクラスが変わった方もいらっしゃるでしょう。お子様の学習状況や授業での理解度・吸収力などを考慮して最終的に決定しています。お子様にとって、いま在籍しているクラスが合っているのかどうか、どのような点を伸ばしていけば上位クラスに進むことができるのか、そんなご不安を感じられたら、お子様の学習状況や授業での理解度・吸収力などを把握している担当講師まで、ぜひご相談ください。
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