『受験生としての二学期』
2022.09.07
早稲田アカデミーでは、二学期に「志望校別コース」がスタートします。最難関校を目指している生徒が、それぞれの学校の出題傾向に合わせたテキストやテストを使った授業を受ける土曜日・日曜日の特別クラスです。ご存知の方も多いと思いますが、「NN〇〇中クラス」という名称がついています。たとえば「NN開成」「NN桜蔭」「NN早実」といったようなクラス名称です。実は、この「NN」は「何がなんでも」という言葉からきているのです。「何がなんでも〇〇中に合格したい!」……そんな思いを持った生徒たちが集まるクラスをイメージしていただければと思います。
特定の学校へ向けた対策クラスとなりますので、その学校のレベルに合わせた授業が展開されます。そのレベルの授業を理解し、吸収して学習効果を高めるためには、ある程度以上の基礎学力が必要になることはご理解いただけると思います。また、学校によって出題傾向も異なりますので、それに合った思考ができるかどうかも大切です。そういった学力や思考力を試すために、「選抜試験」が行われます。その選抜試験で受講資格を得た生徒たちが切磋琢磨する環境も「NNクラス」の魅力になっています。将来の同級生たちと一緒に、同じ目標に向けて努力をする中で、大きな刺激を受けることになるのです。
そのNNクラスの選抜試験が先日行われました。半年後の入試へ向けた「第一関門」のような位置づけとなるテストです。受講資格を得られずに9月からのNNクラスには通うことができなくても、それ以降のテストで資格を得て、最終的に合格を勝ち取っていく受験生も毎年多くいます。ですから、このタイミングで通えなければ合格に大きく遠ざかるというものでもないのですが、やはり受験生は9月のNNクラス開講から第一志望校の対策クラスに通いたいという気持ちは強いでしょう。そういう意味で、このテストで受講資格を得られるかどうか、つまり「NNクラス」に合格できるかどうかは、受験生にとっても保護者の皆様にとっても、大きな意味を持っています。
昨年の話です。NNクラスの選抜テストの結果が出てきたときに、武蔵小杉校の講師に、担当していた受験生の「合格」という結果を伝えました。彼は「よし!やった!」とガッツポーズで喜んでいました。次に出てきたのは「よかったぁ……」という安堵のため息……でした。
私自身が生徒を担当するときに心がけていることの一つが、生徒や保護者の皆様の「思いに共感する・思いを共有する」というものです。得点や偏差値という数字結果だけではなく、志望校別クラスへの「合格・不合格」という結果が出てくるテストですし、その結果が半年後の入試にもつながるものですから、受験した生徒や保護者さまの思いは想像できます。その担当講師も、結果をずっと気にしていました。その瞬間において受験生の思いに共感し、共有できていたのだと思います。
講師として、「何がなんでも合格したい」「絶対に合格させたい」という受験生や保護者の皆様の思いに共感することは、塾の講師として指導を進める原点です。その講師の姿を見て、私自身もいま受験生を担当する一講師として、目の前の生徒たちの「何がなんでも」という思いに応えられるようにと、決意を新たにいたしました。
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