『目指せ、割合マスター!』
2024.12.13
小学校4年生のカリキュラムでは、算数で「割合」の学習が行われました。「割合」は将来的に「比」の学習につながっていき、中学受験では一番といってもよいくらい大切な考え方になるものです。初めて学習をするこのタイミングで、どのように定着させるかがとても重要になってきます。単に「知識」として覚えるのではなく、本質的な理解ができるようにご家庭でも進めていただければと思います。
「水が氷になるとき体積は11分の1増えることになります。では、氷が溶けて水になるときには、体積は何分のいくつ減るでしょう」
いかがでしょうか。保護者の皆様はパッと答えることができるでしょうか。実は割合の古典的な問題なのです。「11分の1増えるなら、減るのも11分の1でしょ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん答えは違います。割合の導入では、「もとになる量」と「くらべる量」という二つの要素が出てきます。実はこれらの考え方は学年が上がるにつれて、「なんとなく」理解できるようになってくるのですが、最初のところでしっかりと身につけておかないと思わぬところで間違えてしまうこともあります
「400人の学校があります。そのうち女子生徒は240人います。女子生徒の割合を求めなさい」という問題であれば、「もとの量」は全校生徒の400人、「くらべる量」は240人、とわかりやすいはずです。計算としては「240÷400」となりますので、答えは「5分の3」と出てきます(紙面上では分数の表記が難しいので、ご容赦ください……)。
水と氷の問題にもどりましょう。わかりやすいように11Lの水があったことにします。水から氷になるときは、水が「もとの量」となりますので、その11分の1にあたる1Lが増えることになります。つまり氷は12Lとなるわけです。もちろん氷から水になるときも同じ量である1Lが減ることになるのですが、ここで問題になるのは、「もとの量」です。氷から水になるのですから、この時点で「もとの量」は氷と考えなければならなくなります。氷の体積は12Lですから、減る量が1Lだとすると、その割合は12分の1となるわけです。これが正解となります。
「ある学校の今年の生徒数は200名です。これは昨年よりも3分の1増えた数字です。昨年の生徒数は何人ですか」という問題も、「もとの量」と「くらべる量」を間違えてしまいやすい問題です。理解が不十分だと、今年の生徒数である200名を「もとの量」として考えてしまう場合があるでしょう。「カリキュラムテスト」や「組分けテスト」などでも出題される可能性のある問題ですので、もしよろしければお子様と考えてみてください。正解は「150名」です。
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