『クリスマス、冬休み、お正月……』
2024.12.06
ここ数年、この時期には個人的に「ブックサンタ」に参加しています。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、本屋さんで本を購入して、それをそのまま本屋さんのレジに預ける(寄付する)だけで、それをNPO法人がいろいろなお子様方に届けてくださるというシステムです。ご興味のある方はインターネットで調べていただくとわかると思います。私も子どものころに両親や祖父母からクリスマスプレゼントとして本をもらい、何度も繰り返し読んだ覚えがあります。今度は自分が「誰かのサンタになれれば……」、そんな気持ちで毎年本を選んでいます。誰かのためにプレゼントを選ぶ、という行為はとても楽しいことだと思います。自分がもらうよりも、誰かのために選んでいる瞬間の方が、本当は楽しいのではないかと思うこともあります。本屋さんでそんな気持ちにさせていただきました。
小学生の子どもにとっても、「誰かのためのプレゼントを考える」という経験は、心を豊かにし、成長にもつながるものだと思います。お父さんやお母さんの誕生日、遠く離れているおじいさまやおばあさまへのプレゼントなどを考えたり、選んだりするというのはとても素晴らしいことだと思っています。低学年のお子様の場合、「自分はこれがほしい」という視点で考え始めるかもしれませんが、そこからそれをもらった人のことを考えるようになるでしょう。自分とは年齢や環境が異なる人に喜んでもらうために、その人に思いをはせながら、さまざま考える……そんな経験です。さらに、自分が選んだプレゼントを喜んでくれた人との絆はより強くなることでしょう。
冬休みというのは一年の中でも特殊な時期です。夏休み・春休みもそれぞれの過ごし方を考えて計画的に過ごすことが必要ですが、冬休みは気持ちの準備も必要です。それがないと、学習面での成果がなにもなく終わってしまうことにもなりかねません。一方で、ご家族で過ごす時間も大切な時期になります。様々な点においてしっかりと計画を立てられることをお勧めします。
冬休み期間にはイベントがたくさんあります。お子様にとってはとても楽しいクリスマス。街のイルミネーションやクリスマスツリーの飾りつけもお子様の気持ちをウキウキしたものにすることでしょう。そして、大晦日にお正月。お年玉におせち料理。勉強をするヒマはないというのが、お子様方の本音かもしれません。ただ、この時期にも学習を進めることが大切です。首都圏で実施される入試の一番早い日程は1月10日に解禁される埼玉県私立中入試です(帰国生試験や千葉県私学の第一志望入試は12月から始まっていますが……)。受験生にとって冬休みは「受験直前期」であり、ラストスパートの時期になるわけです。4年生・5年生になれば「受験生の冬」をイメージして、短い冬休みであっても、学習に集中する時期や時間を持つようにするべきです。早稲田アカデミーで実施している小学校5年生向けの『正月特訓』は学習内容面において成績向上を目指すのはもちろんですが、なによりも意識面において「受験生の冬」をイメージさせることを目的としています。受験生になる年の初めに、本気で集中して特訓授業を受けることで、「今年1年がんばっていこう」というやる気がつくり出せるはずです。
この期間を充実したものにするためには、冬休みの『学習計画表』をしっかりとつくることが大切になります。夏休みは期間も長いので、計画表には学習時間と学習内容だけを書き込むようにすればよいのですが、冬休みは期間も短く、学習以外の予定もたくさんあるはずですので、まずはその予定を書き込むところから始めなければなりません。予定の合間をぬって、集中して学習できる時間を確保しておかないと、結局ほとんどまとまった学習ができずに終わってしまうことになるはずです。
また、日本人にとって、お正月はやはり特別な意味を持つものだと思います。日常の会話よりも、元旦という特別な日に交わした会話は覚えていることが多いものです。ここで、一年間の学習の方向性や勉強をしていく意味、将来の目標などについて、ぜひお子様と会話を交わしていただきたいと思います。さらに、計画をつくる中で、冬休みの目標も同時に設定をしていただければと思います。冬休み中に何を目標に学習を進めればよいか、それがはっきりとすれば、お子様自身のやる気も高まるはずです。寒さの中、がんばるお子様の成長にご期待ください。
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