『12月・1月になにをやるか』
2024.12.04
12月に入りました。小6受験生にとっては「入試直前期」です。すでに各中学校では「帰国生入試」もスタートし、千葉県の私立中では「一志(第一志望入試)」も行われました。そういう意味では「直前期」というよりも「入試時期」に入ったということができるかもしれません。各塾の合格可能性判定模試も12月に行われ、次の大きなテストは1月・2月に実施される「入試本番」というタイミングです。受験生にとっては、クリスマスもお正月も関係なく、自身の志望校の入試日に向けた毎日を懸命に過ごしている、そんな時期になってきています。
一方で、非受験学年の皆様にとって、ここからの二か月は「現学年のまとめ」「新学年へ向けた準備」という時期になります。次の学年につなげるためにも大切な時期となるわけです。毎年、この時期の保護者会やセミナーでは「現学年の間に行っておきたいこと」についてお話しさせていただいています。今回はそれぞれの学年で、ここからの2か月(12月・1月)で行っておくべきことを書かせていただきます。
[小1~小4]「学習・勉強の本質的な『楽しさ』を経験する」 学年が上がると学習内容の難度は上がります。「難しい」と感じることもあるでしょうし、宿題にかかる時間が増えて「つらく」感じることもあるでしょう。もちろんある程度の期間が過ぎれば、その学年としての難度に慣れてくるものですが、その手前で「難しくても、ちょっと大変でも」前向きに取り組むためには、学習することの「楽しさ・おもしろさ」を現学年のうちに経験しておくことが大切です。自分でできたという「成功体験」や、難しい問題が理解できたときの「感動体験」をぜひこの冬に経験してもらいたいところです。
[小3~小4]「日常的な学習習慣を確立する」「集中して学習できる場所を考える」 学年が切り替わればテキストも変わりますし、宿題の内容も変わってきます。現在の早稲田アカデミーカリキュラムにおいては、小3から小4では理社の学習時間が増えますし、小4から小5では通塾日数が増えることになります。ですから、いまの時点で新学年の一週間の学習リズムを細かく考えることはできません。2月に新学年がスタートして、どのような課題にどれくらいの時間がかかるのかを見極めてから、一週間の詳細な計画を立てていけば問題はありません。その手前の段階として、「塾がない日の学習時間をきちんと定めておくこと」、「お子様が学習に集中できる時間を見極めておくこと」を考えておくようにしてください。さらに「集中して学習に取り組める場所」を決めておくこともお勧めしています。
[全学年]「学習面における基礎知識の確認と定着」 現学年で学んだ「基礎知識」をあと二か月でしっかりと定着させておくことも必要です。応用的な知識は新学年でも扱うことが多く、現学年の間に定着しきる必要は必ずしもありませんが、土台となる基礎知識や基礎的な学習方法に関しては、しっかりと定着させておかねばなりません。特に「暗記方法」「計算方法」などの現学年における基礎部分については、習得できているか確認してみてください。もしご不安な点があれば、(塾生の方は)12月に各校舎で行われる「個別面談」で担当の講師に相談しておくとよいでしょう。ここからの冬期講習会、1月授業は現学年の「まとめ」が扱われる学年・クラスが多いはずですので、この期間の学習をしっかりと行っていくようにしてください。
また、冬休みの学習計画を立てておくことも大切です。 「中学受験学習を進める小学生にとって、一年の中で大切な時期を二つ」と問われたら、迷わず「夏(7月~8月)と冬(12月~1月)」とお答えしています。夏は年間で一番まとまった学習時間がとれる「夏休み」があるからなのは、おわかりいただけると思います。一昔前よりは短くなった学校もあるとはいえ、約40日間の夏休みはお子様を大きく成長させる時期です。小6受験学年では受験に必要な学習単元を総復習し、秋以降の「実戦力・得点力」の向上を図る時期の土台をつくる非常に重要な時期となります。非受験学年においても、そこまでの復習をするとともに、秋以降に一段階レベルが上がる学習へ向けた先取り学習を、密度高く行うための大切な期間となっているわけです。
一方で、冬休みは期間こそ短いのですが、やらなければならないことそのものは、夏とはそれほど変わりません。もしくは、学習量ではなく学習内容的な面で考えれば、夏以上に「濃い」学習を進めることが必要です。各学年の総まとめ的な学習を行いながら、新学年からの学習に備えた「橋渡し」的な学習を行っていくことが必要な時期となってくるわけです。
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