四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『テストでは問題文を丁寧に!』

2025.02.21

早稲田アカデミーでは小学校に先駆けて新年度が始まっています。新学年のテキストになってはいますが、旧学年で早稲田アカデミーに通っていらした方にとっては、新学年カリキュラム(算数・国語)の初めの方は「復習内容」となるものが多いはずです。特に小3時に「コンパス」というテキストを進めていた方にとっては、小4「予習シリーズ」は簡単に感じられるかもしれません。ただ、そこで油断をしてしまうと、その先に「壁」がきてしまいます。前学年中に積み残していた部分をしっかりと埋めて、次につなげることができるように学習を進めていただければと思います。


また、小4・小5では「カリキュラムテスト」も始まりましたので、今回はテストを受けるときのポイントについて触れさせていただきます。「テストを受けることそのものが学力向上につながる」という点に関しては、幾度かこのブログでも触れさせていただいておりますし、「クローバーセミナー」などの講演会でも詳しくお話ししておりますので、今回は割愛させていただきますが、そのテストの受け方によって、学習効果にも差が出てきます。
 
ケアレスミスが多いタイプの生徒がいます。「考え方や解き方がわかっていても、ミスをしてしまったことによって正解とならない」というのがケアレスミスの定義でしょう。こういったミスは、一般的には「頭の回転が速い生徒」によく見られる傾向です。回転が速い分、急いで解こうとして作業スピードが頭の回転に追いつかないということがあるわけです。ですから、筆算の字が汚くなって「0」と「6」を書き間違えたり、漢字を写し間違えたり、ということが起こってしまいます。低学年の段階では、短所を克服するよりも、長所を伸ばすことが大切ですので、こういったタイプのお子様にあまり口やかましく「ミスはしないように」とは言わないようにしています。ただ高学年になってきたら、考え方や解き方がわかっているからといってミスを軽視してしまうのはよくないことになってきます。


たとえば中学受験算数の場合、解き始めたら(なるべく)1回で正解にたどりつくように、と私は指導をしています。入学試験では制限時間が決まっていますので、「検算」や「解き直し」の時間はほとんど取れないはずです。難関校の場合、正解が「きれいな数字」で出てこない場合があります。約分できない桁数の多い分数が正解になったりするわけです。こういった学校を受験する場合、「変な数字が出てきたから、間違っているかもしれない」と考えるわけにはいきません。途中で複雑な数字が出てきたとしても、自分の解答力を信じて、最後まで解き切るしかないわけです。万が一、途中でミスをしていたとしても、振り返るわけにはいかないのです。


「カリキュラムテスト」は、こういった「1回で問題を解き切る」という力を養うためにも効果的です(もちろん、学習内容を定着させるためというのが最大の目的ですが……)。そのための第一歩としてまず心掛けていただきたいのは、「設問文」を丁寧に読むことです。よくあるケアレスミスのパターンとして、問題文をよく読んでいなかったために、条件をひとつ見落としてしまったり、問われているものとは違ったことを答えてしまったりというケースです。自分が今までにやった問題の記憶から「たぶんこうだろう」という思い込みで解き始めてしまうケースなどもよくあります。


保護者の皆様もテスト前などに「問題をよく読みなさい」とお子様におっしゃるケースもあるとは思いますが、それが本当に大切なことなのです。さらに「解き終わったら見直しをちゃんとしなさい」という指導をされる場合もあると思います。実は小学生にとって「見直し」は意外に難しいものなのだとお考えください。自分がいったん正しいと思って解いているわけですから、そこをどう「見直し」ていけばよいのかはわからないはずです。さらに、問題を解いた過程などを見ていっても、なかなかミスを発見することはできないものです。私は「見直し」という言葉は使わずに、「解き終わって時間が余ったら、もう一度問題文をじっくり読み直しなさい」というように指導をしています。そうすることによって「太郎くんの年令を問われているのに、花子さんの年令を答えてしまった」「『適切ではないもの』を答えなさいなのに、『適切なもの』を答えてしまった」などのミスに気がつくことができるわけです。

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