四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『中学受験カリキュラムの特殊性』

2025.02.26

中学受験は「親子の入試」「家族の入試」といわれることがあります。高校受験や大学受験と比べると、保護者の皆様が関与する部分が大きいということからだと思いますが、その分保護者の方がどういう形で関与するかで、その結果も大きく変わります。関わり方によっては、お子様のやる気が低下してしまったり、学習面においても無駄が多くなってしまったりということにつながってしまうこともあります。


お父様やお母様がイメージされる「受験勉強」は多くの場合、ご自身が高校・大学受験をなさったときのものではないでしょうか。中学受験を経験された方もいらっしゃるとは思いますが、そのときの記憶はその後の受験学習で「上書き」されてしまい、ご自身が小学生のときの学習内容や学習方法を覚えていらっしゃる方は少ないでしょう。私自身も四谷大塚に通い、中学受験を経験したのですが、そのときの記憶は残っていませんでした。早稲田アカデミーで小学生を指導するようになってから、実家に残っていた当時の「予習シリーズ」を引きずり出して、いろいろと思い出したのですが、それでも「どんな風に勉強していたか」という記憶までは曖昧です。さらに、ここ20年ほどで中学入試の出題傾向は大きく変わってきていますので、当時の「学習の記憶」が残っていたとしても、それほど役には立たなかったかもしれません。


保護者の皆様にまずご理解いただきたいのは、中学受験へ向けたカリキュラムはある意味「特殊」であるということです。まず、カリキュラムそのものが小学校での学習内容と違うというのが「特殊」です。高校受験も大学受験も入試問題は、学校カリキュラムの延長線上にあるイメージです。しかし、中学受験カリキュラムは、小学校の学習カリキュラムと大きく異なります。ですから、学校カリキュラムを「先取り」していたからといって、成績が伸びるわけではありません。逆に科目や単元によっては「先取り」していることが弊害になってしまう場合もあるのです。


さらに、中学受験カリキュラムで学ぶ内容がその学齢の標準的な生徒にとっては、かなりハードルの高い学習内容なのだという点も「特殊」です。高いレベルの学習を進める場合、「先生の教えてくれたことはなんとなくわかっている」ということになります。しかし「いざ自分で問題を解こうとするとできない」、「自分ひとりの力では解ききれない」という状態がうまれます。ここで大切なのは、そのレベルの問題を「すぐに解決しようとしない」ことです。小学校での学習に慣れているお子様の場合、もしくは中学受験カリキュラムの学習の進め方を誤解されている場合、テキストやテストで出されている問題に「正解」できないと、なんとなくの不快感を持ってしまうことがあるはずです。ただ、その点に関しては「慣れ」ていくことも必要になります。
一方、「できない」まま進めていったら、いつまでも「できない」ままでいるようなご不安もあることでしょう。実は、その時点で「なんとなくわかってはいるけれど、自分ではできない」という問題は、必ずできるようになるのです。そこには精神的な成長・発達が大きく影響してきます。


保護者の皆様が、塾のテキストをご覧になったときに「あれ?この問題はどう解くんだろ?」と思われる問題に行き当たることもあるはずです。そこで解説を読んでみて「ああ、こう解くのか」と理解をすると、(大人であれば)同じタイプの問題は次にはすぐに解けるようになっているはずです。ところが、小学生の場合は、なかなかそうはいきません。この違いは「経験」であり「成長」の差だとお考えいただければ、おわかりいただけるはずです。この点において、私は保護者の皆様に、「中学受験へ向けた学習はお子様の精神的成長と同時進行だとお考えください」とよく申し上げています。


たとえば国語で出題されている文章を理解できるかどうかは、その段階での精神的な成長・発達による部分が大きく影響するのはご理解いただけると思います。テキストでもテストでも、出てくるのはお子様の学年よりも高い学齢を対象とした文章です。その文章がきちんと読み切れるかどうかは、そこまでの読解経験とそれによって培われた「成長」が影響してくるわけです。


さらに、成長段階にいる小学生にとって、学習に「成長」が一番影響してくるのは、学習方法の部分です。学習内容面でも各科目・単元それぞれでの「成長段階」を考慮することが必要ですが、それ以上に成績に影響してくるのは、学習習慣や学習方法といった点だとお考えください。


中学生以降になってくれば、だんだんと「ひとりで勉強する」ということができるようになっていきます。もちろん小学生でも「ひとり」で机の前に座って問題に取り組むことはできるのですが、その瞬間に100%の集中力で頭を回転させていくというのは、かなり精神的に成長をしていたとしてもなかなか難しいことです。私の経験では、最難関校に合格していく小6生であったとしても、ひとりで勉強しているときは、その子の持っている力の100%は出し切れていないと思っています。たとえば、ちょっと真剣に考えれば確実にできるレベルの問題を「家でやってわからなかった」からといって質問にくることがよくあるのです。「ちゃんと考えたの?もう一回ここで考えてごらん」と言って、目の前でやらせてみると、「あっ、できた!」ということも多いのです。


そこで一番大切になるのが、お子様にとって「真剣に」問題に取り組む環境を用意するということになってきます。「真剣に」という言葉は「集中して」と置き換えてもよいかもしれません。家庭学習においてどうすれば「真剣に」問題に取り組むか、という点を保護者の皆様にお考えいただきたいのです。ご家庭の環境やお子様のタイプによっても異なりますので、「こうすれば真剣に取り組める」という「正解」はありませんので、学習場所や学習時間をお子様に合わせてお考えいただくところからがスタートになるでしょう。一般的に小学生の場合、自室での学習よりもお父様やお母様の「目」が届く場所の方が集中できるようです。よくいわれる「リビング学習」を進めていらっしゃる方が多いのもそういった理由でしょうか。小学校の低学年時に「リビング学習」の習慣がついてしまったので、結局小6の受験までそのままの場所で勉強していたというお話もよく伺います。学習時間に関しては、本当に千差万別です。朝起きてすぐに勉強をするとよく覚えられる(漢字の暗記など)というお子様もいらっしゃいますし、逆に朝はまったく頭が回転しなくてというお子様もいらっしゃるわけです。

同じテーマの最新記事

2025.02.26 『中学受験カリキュラムの特殊性』
2025.02.21 『テストでは問題文を丁寧に!』
2025.02.19 『「四つ葉Cafe」を紹介させていただきます』
2025.02.14 『ありがとうの気持ち』
2025.02.12 『2025年、中学入試を終えて……』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー