『奇跡の大逆転劇』
2022.02.09
首都圏の中学入試がほぼ終わりました。明日2月10日には神奈川の公立中高一貫校の合格発表がありますので、そこまで進学先が決まらない方もいらっしゃると思いますし、今後の「繰り上がり合格」で進学先が変わる方もいらっしゃるでしょう。ただ、ほとんどの学校で入学試験は終わりました。
私が勤務している武蔵小杉校にもたくさんの笑顔での報告(とはいっても今年は電話やZoomでのものがほとんどですが……)が届きました。その中には、「大逆転」「奇跡の合格」と言われるような結果も多くありました。
私は入試直前の激励会で受験生たちに、こんなことを話しています。 「120%の力を発揮することはできない。まずは実力の100%をしっかりと発揮してきてほしい。そのためには、落ち着いて。受験会場に着けば、誰もが緊張するはず。深呼吸をして、算数のテスト前には塾の算数の先生の顔を思い出して、『あの先生だったらどんな風に解説してくれるかな』……そんなことを思い出しながらテストに臨みなさい。そして、最後の最後の1%。それは君たちの心の中から出てくるはず。強い思いが101%の力になる。がんばってきた自分を信じて、胸を張って笑顔で受験に……」
実は「大逆転」「奇跡の合格」には、すべて理由があると思っています。入試本番で実力以上の力を発揮することはできません。逆に言えば、合格できたということは、それだけの力を身に付けていたといえるのです。9月から実施される様々な「合格可能性判定模試」で30%しか取れていなかった生徒が、本番で合格するのはよくある話です。模試の形式には合わなくても、志望校の出題傾向に沿った学習を行うことで、「逆転合格」は難しい話ではありません。多くの模試が12月までには終わってしまいますから、そこからの「冬期講習会」「正月特訓」「1月」で大きく成長し、成績を伸ばしたことによる「逆転合格」も過去に何回も見てきました。過去問演習で一度も合格ラインに届かなくても、その解き直しを徹底的にやることで、合格できる力を身に付けて本番に臨めたことによる「逆転合格」も数多くあります。そして、その「逆転合格」の根底には「自分を信じる力」「信念」と言われるような「強い思い」があると考えています。
一方で、入試である以上、そこには2つの結果しかなく、悔しい思いをすることもあります。実質倍率が2倍の学校であれば、受験生の半分が合格を勝ち取ることはできません。その中には、「実力を出し切った」けれどはね返されてしまったという場合もあります。「やり切った」という気持ちであれば、ある程度気持ちの切り替えもできるでしょう。しかし、中には悔いの残る結果となってしまう受験生もいるはずです。緊張して力が出し切れなかった、体調がよくなかった……などの理由もあるでしょう。「1つの問題を解き切れなくて時間がかかってしまった」「ケアレスミスを多くしてしまった」という場合もあります。いずれにしても、実力通りの結果を出すことができなければ、悔しい思いでテストを終えてしまうこともあるのです。
特に、今年はオミクロン株の影響もあり、中には受験会場に行けなかった受験生もいることでしょう。連日の入試の疲れもあって、試験中に体調不良を訴えて途中退出をしたという受験生の話も聞きました。
そんな悔しい思いを残したまま、入試を終えられた受験生の皆さんへ向けたメッセージを書かせていただきます。
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皆さんの「大逆転劇」はここからがスタートです。 中学入試では実力を出し切れないままで、悔しい思いで終わったとしても、中学入試が人生のゴールではありません。ここから先が、本当の勝負となります。第一志望の学校に進学ができたとしても、そこで手を抜いてしまえば、思わぬ結果となってしまうこともあります。逆に、第一志望には進学できなかったとしても「次のチャレンジ」で大きく逆転できるチャンスはやってくるはずです。
早稲田アカデミーで身に付けてきたものは、もちろん中学入試へ向けた学習であり、問題を解くための方法(テクニック)でもありました。そしてそれをしっかりと身に付けられたことで「学力」は伸びてきたはずです。偏差値などの成績は、他の生徒との比較(相対評価)になりますから、目に見える大きな伸びはなかったかもしれません。しかし、考えてみてください。早稲田アカデミーに入る前といまの差を。皆さんは大きく変わったはずです。
そして、ここまでに身に付けてきたものは、単なる「学力」だけではありません。「大きな目標に真剣に取り組む姿勢」も「困難に直面したときに乗り越える強い気持ち」も「挫折に負けない強い心」も……志望校に向けて一緒に取り組んできた仲間や先生方との絆の中からも、お父様やお母様の支えの中からも、そして自分自身の中からも、芽生え培われていった「力」のはずです。それらの「力」は皆さんのこれからの人生において、とても大きく生きてきます。次のステージとなる中学校・高校の学習や生活の中で、次のチャレンジとなる高校入試・大学入試において、中学受験のために身に付けてきたものは、必ずや皆さんの支えとなるはずです。そして、皆さんはまだ「夢の途中」、この先の人生での「大逆転」はやってきます。中学受験における経験を生かして、次の大きな目標を設定して、胸を張って進んでいくことで、逆転のチャンスは必ずやってくるはずです。そのときのために、さぁ今日から、またがんばっていきましょう。
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