四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『今年最後の……』

2022.11.25

11月23日は「勤労感謝の日」でしたが、「今年最後の祝日」とテレビで伝えられているのを聞きました。まだ11月なのに、「今年最後」という言葉が使われ始める時期になったのか、と思いながら聞いていました。


「勤労感謝の日」が、年内で最後の祝日となったのは、2019年からとなります。それ以前は「平成」の時代で、現在の上皇陛下のお誕生日である12月23日が「天皇誕生日」として、年内最後の祝日となっていました。「令和」に入り、天皇誕生日が2月23日となったことにより、12月には祝日がなくなったというわけです。「祝日」に関する問題は、中学入試でも取り上げられることがときどきあります。以前「年間で祝日のない月を答えなさい」という問題を見たことがあり、その解答が「6月」でした。そこから考えると、まだ「令和」になる前であり、さらに2016年から「山の日(8月11日)」が祝日となって、8月にも祝日が設けられたので、2016年から2018年のいずれかの年の出題のはずです。もし来年、同じ問題が出題されたら、正解は「6月と12月」になるはずです。


2019年(令和元年)は、令和天皇の即位に伴って「祝日」が増えた年で話題になりました。その年の東京大学の入試問題(英語)では、次のような問題が出題され、それも話題になりました。


「新たに祝日を設けるとしたら、あなたはどのような祝日を提案したいか。その祝日の意義は何か。また、なぜそのような祝日が望ましいと考えるのか。60~80語の英語で説明しなさい。なお、この場合の祝日は、国民のための祝日でもよいし、国内外の特定の地域、もしくは全世界で祝うようなものでもかまわない」


「全世界で祝う祝日」という点をちょっと考えてみました。「全世界の祝日」と考えると、いまは存在していないものだと思います。唯一、元旦がそれに近いような気もしますが、少しニュアンスが違うようにも思います。しかし、2019年から世界規模での感染が広がっている新型コロナウイルスが、もし完全に根絶できる日がきたら、それは全世界で祝う日としてもよいかと思います。そんな風に考えると、この感染症の世界的な流行は、人類の歴史にとって、とても大きな意味を持つものだと思うのです。現在、日本では「第8波」が猛威をふるい始めていますが、「with コロナ」と言われるような情勢のなか、新たな生活様式が進みはじめているようにも思います。そして、将来の世界中の「歴史」の教科書には、2019年からの「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大」は必ず載ることになるでしょう。いまこの時代を生きているお子様が将来、親になったときに「あのときのコロナは大変だったんだよ」と子どもに話すことになるのではないでしょうか。


「歴史の教科書」について、少し書かせていただきます。早稲田アカデミーの(四谷大塚「予習シリーズ」の)カリキュラムでは、今年の小学5年生から「歴史(日本の歴史)」の内容が少し変わっています。それ以前は、6カ月間(小5の9月から2月まで)で歴史を学んでいたのですが、現在の小5からは、小6に入っても歴史の学習単元が残っています。小5までに「昭和時代の前半(戦前まで)」を扱い、小6で「昭和時代の後半(戦後から)」と「平成時代」を扱うことになっています。初めてテキストで「昭和時代」という文字を見たときには「ドキッ」としました。「昭和が『時代』になってしまったのか……」というような思いで、私自身が「昭和の人間」だと思っていたので、まるで「時代遅れ」になってしまったような気もしたのですが、もう「平成」が「平成時代」としてテキストに書かれています。


以前、小学5年生のお弁当の時間に、「江戸時代は何年続いた?」という質問をしてみました。「えっと……260年くらい」と頭の中で計算して答えてくれました。次に「江戸時代が終わってから今まではだいたい何年?」と聞いてみました。「大政奉還が1867年、明治元年が1868年だから、だいたい150年くらいだね」と話をしたところ、「あれ?」という顔をした生徒が何人かいました。


おわかりでしょうか。江戸時代の始まりから終わりまでよりも、江戸時代の終わりから今日までの方が100年ほども短いのです。江戸時代は「鎖国」の影響もあるでしょうが、文化は成熟したとしても、文明や科学の進歩スピードは速くはなかったのでしょう。そして、その後の150年の進歩スピードは目覚ましいものであったのだと感じています。そう考えると、いま目の前にいる生徒たちが社会に出て活躍する20年後・30年後にはどんな世界になっているのかと、ふと考えることがあります。

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