『小学校の卒業式』
2024.03.22
先週から今週にかけて、全国の学校で「卒業式」が行われています。昨年は桜の開花が例年よりも早く、(東京の開花宣言は3月14日)桜の花の下での「卒業式」という学校が多かったのですが、今年は3月24日が開花予想日となっていますので、「卒業式」には間に合わなかったようです。
早稲田アカデミーでは、中学入試を終えた生徒に向けて、2月から3月に「中1準備講座」という数学・英語の授業を行っておりました。最後の授業に少し顔を出して、「早稲田アカデミーでの最後の授業だね」という言葉をかけたら、少し寂しそうにしながらも笑顔で返してくれたのが印象的でした。まだ日々の気温差は大きいですが、少しずつ暖かくなってきており、日射しの明るさは春を感じさせてくれます。春の日射しのもと、新しいステージへと向かわれる卒業生たちに、心から「おめでとう」と伝えました。
新しく中学生になる生徒たちに、「もう君たちは子どもではない」と伝えることがあります。自覚を持って中学校に進学をしてもらいたいと思いますので、そんな話をするのですが、具体的な例として「運賃」の話をします。日本では全国的に電車やバスの「子供料金」は小学生までとなっています。中学生になったら「大人料金」になるのだから、ちゃんと間違えないように払うんだよ……そんな話をするわけです。
また、先日校舎で新中学1年生になる皆様へ向けた保護者会を実施させていただきました。そのなかでも、「卒業」そして「中学校への入学」は大きな成長の「きっかけ」となるので、それをうまくつかんで成長を促してください、というお話をさせていただきました。学年が上がる以上に大きな変化を迎えるわけですから、お子様方の気持ちもより変わりやすくなっているはずです。このタイミングでの親の接し方で、「中学生としての自覚」は大きく変わるものです。そして「中学生としての自覚」を早く持つことができれば、中学校生活もよりよい形でスタートできるのではないでしょうか。その中で、具体的なアドバイスとしていくつかお話しさせていただきました。ご家庭の中でのルールを少し見直していただくことや、親としての接し方などをお話しさせていただいたのですが、そこでも「電車やバスの運賃」の話をさせていただいています。「児童」から「生徒」と呼ばれる立場に変わるのですから、一つ大人への階段を上がることになります。そんな扱いをしていただくのがよいと思います。
話はそれますが、以前すこしだけ住んでいたスウェーデンでは、19歳まで「子供料金」が適用になっていました。19歳まで「子ども扱い」ということではなく、教育費などを含めて、子供に対する社会保障の考え方の違いによるものだと思いました。卒業生以外の小学生にとっても「卒業式」はいろいろな想いを抱くものだと思います。登校班が同じでいつも一緒に通学していた6年生がいなくなる寂しさや、自分自身の学年が一つ上がるという漠然とした思いや……。そんなことを感じる場面なのではないでしょうか。そういった点では、やはり成長をうながすきっかけの一つだと私は考えています。このタイミングで、効果的に保護者の皆様から接していただければ、意識もより高まることと思います。
さて、もうすぐ「春休み」がやってきます。中学校へ進学する皆様だけではなく、それ以外のお子様にとっても新学年という「新しい季節」がやってくることになります。現学年の終業式が終わって、新学年の始業式までの期間が「春休み」となりますが、この期間はある意味「ニュートラル」な時期だと、私は考えています。このタイミングで、旧学年のものを整理したり、新学年の目標を考えたり、「前を向く意識」をお子様に作っていただければと考えております。
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