『梅雨入りが遅くなっているようです』
2024.06.14
やっと九州南部と四国地方が「梅雨入り」したというニュースを見ました。気象庁のHPを見ると、ほぼ「平年より遅い」という表現が使われています。ただ、ここで気をつけなければならないのは「平年」という表現です。平年というのは「令和2年(2020年)までの過去30年の平均の日付」と書かれています。皆様も感じていらっしゃるように、ここ数年で日本の気候は大きく変わってきています。桜の開花日も昔と比べると大きくズレてきているようですし、雨の降り方にも変化があるように思います。昔の「梅雨」はジメジメシトシトだったのですが、いまは「ゲリラ豪雨」「線状降水帯」という言葉が使われるように、熱帯地方のスコールのような雨が多くなってきているように感じています。
さて、梅雨が明ければ、夏がやってきます。この時期によくお話ししているのが、「夏休みの学校の宿題」についてです。本日実施させていただいた「クローバーセミナー」でも、「夏の学校の宿題は早めに終わらせる習慣を、低学年からつけておいてください」というお話をさせていただきました。
夏休みの小学校の宿題で、一番時間と労力がかかるのは自由研究ではないでしょうか。いろいろな研究テーマを聞いたことがあるのですが、比較的多いものの一つが「天気や気候」に関連するものです。身近なので調べやすいということもあるでしょう。以前担当していた生徒で、「自分の住んでいる東京とおばあちゃんの住んでいる田舎の気温変化」について調べた研究を拝見したことがあります。昼間と夜の気温を定点観測し、その気温差に関して考察した内容でした。とてもよい研究になっていたのを覚えています。
梅雨も研究テーマの一つになるように思います。「なんで6月から7月は雨が多いんだろう?」「梅雨ってなんであるのかな?」「テレビでは『北海道は梅雨がない』って言っていたけどどうしてかな?」……そんなことをお子様が言い出したら、「ちょっと調べてみれば。夏の自由研究にもよいかもしれないよ」とお話しいただくとよいかもしれません。
「算数のドリル」などは学校で配られてからでなければ手をつけることはできませんが、「自由研究」は(課されることが決まっているのであれば)早めに始めることができる課題です。研究そのものは、夏休みに入ってからにするとしても、「何を研究するか」といったテーマを決めるのは、いまの時期から考え始めることができるはずです。せっかく「自由に研究する」という課題なのですから、お子様自身が興味を持ったり疑問に感じたりしたものをテーマにする方が、楽しめるでしょうし、結果として学力の向上や思考力の育成にもつながるはずです。そのためには、保護者の皆様がお子様と、いろいろなことについて会話をすることが必要だと考えています。
同じように、「夏の読書感想文」も今から準備しておくことができるはずです。感想文を書くのは、夏休みに入ってからでもよいのですが、どの本を読むかは、今から考えておけばよいのです。「読書感想文のための本」を選ぶのではなく、何冊も読んだ中で、「一番感想文を書きたい本」を選んで、できればもう一度読み直して、そこから書き始めることをおすすめします。
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