四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『あぁ、しんど……』

2024.11.13

私の父親は関西出身でした。彼は大学まで関西で過ごしていたのですが、まったく関西弁をしゃべらない人でした。ただ、叔母や祖母は「バリバリ」の関西弁ユーザーで、東京での暮らしが長くなっても、ずっと関西弁で過ごしていました。そんな祖母が晩年よく「あぁ、しんど……」と言っていたのをふと思い出しました。外出して帰ってきたあと、リビングのテーブルに腰をかけて「あぁ、しんど……」と言いながらお茶を飲む、そんな姿が印象に残っています。


そんな祖母を思い出しながらいろいろと考えていたのですが、私の周りで「しんどい」という言葉を使う人は偏っているように思えてきました。いろいろな場面でよく使う人、ほとんど使わない人……。ほとんど使わないというよりも、その人の語彙の中にないと言ってもよいかもしれません。調べてみると、やはり関西圏でよく使われる言葉のようですので、よく使う人は関西出身だったり、家族が関西出身だったりということがあるのかもしれません。


「しんどい」という言葉をいろいろと考えてみると、さまざまな場面で使える便利な言葉のように思い始めました。もしお子様から「『しんどい』ってどういう意味?」という質問があったら、どのように答えるかを考えてみてください。「きつい」「たいへん」「だるい」……そんな言葉が思いつくのではないでしょうか。私も用例を考えてみたのですが、いろいろな表現が思いつきます。


「今日はちょっとしんどい」→「今日はちょっと(身体が)だるい」「体調がよくない」「つらい」
「この問題はしんどい」→「この問題はきつい・解くのが困難・大変」
「少ししんどい話があるのですが」→「面倒くさい話・あまりよくない話」
「今日の風はしんどい」→「風が強く吹いていて大変だ」


「しんどい」の代わりに使う言葉として一番近いのは「きつい」という言葉のようにも思います。しかし、まったく同じニュアンスにはならないようにも思うのです。「この問題はしんどい」という表現の場合、「ちょっと大変だけれど、解決はできそうだ」というようにもとらえられますが、「この問題はきつい」と表現すると、「解決するのはきびしい」というニュアンスが強くなるように感じます。「しんどい」という言葉のもつニュアンスと「きつい」という言葉のもつニュアンスの違いによるものだと思うのですが。


実は関西出身ではなく、英語圏で幼少期を過ごしていた友人が「しんどい」という言葉をよく使っていたのも思い出しました。彼の中での「しんどい」はもしかしたら、英語的な表現も根底にあるのかもしれないと思って、「しんどい」を英語だったらどのように表現されるのかを考えてみました。一番近そうだと思ったのが「heavy」という単語です。この表現はもしかすると「しんどい」と非常に似ているのかもしれないと思ったのです。英語で「(身体が)だるい」というときに「feel heavy」という表現を使うことがあると教わった記憶があります。前述させていただいた用例も「この問題はヘヴィだ」「少しヘヴィな話が」「今日の風はヘヴィだ」といえば通じてしまうのではないでしょうか。


11月に入りました。ここから早稲田アカデミーは「入試直前期」に入り、「新年度準備」も始まり、忙しい毎日がはじまっています。あまりネガティブな意味ではありませんが、「heavyな毎日」というイメージです。受験生たちと目の前の生徒たちのために、走り抜けていこうと思っています。

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