『どこまで勉強を見ていけばよいか ~新学年へ向けて~』
2021.11.26
街中でもコートを着た方が目立ち始めました。私は比較的寒さには強い方なのですが、コートとマフラーを出してきました。この時期になると、マスクをしていると眼鏡がくもりやすくなってきます。そういえば昨年もこの時期に眼鏡の「くもり止め」を買ったのを思い出しました。
11月中旬から、早稲田アカデミーの小学部では「新学年への切り替わりのタイミング」を迎えています。「新学年」と聞くとまだ先のように思われるかもしれませんが、首都圏の中学入試は1月から2月にかけて行われるので、進学塾では1月が現学年の最終月となり、2月から新学年に切り替わります。冬休みから1月にかけては、新学年に向けた「橋渡し」の時期となるわけです。早稲田アカデミー各校舎でも、11月中(もしくは12月の前半)に、各学年の新年度へ向けた説明会が行われます。
毎年、このタイミングでいただくご相談があります。「親はどこまで勉強を見ていけばよいのでしょうか」というものです。先日行われた『全国統一小学生テスト』の小3や小4の算数では、パッと見ただけでは大人でも解けないような問題が出題されていました。解説を読むことで解き方は教えられても、お子様が自分でできるようになるまで理解させるのはなかなか難しいと感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。お子様の性格やタイプによっても変わりますが、学年の切り替わりのタイミングなどで、塾の先生と相談をしながら、保護者の方が関わる部分を減らしていくのもひとつの考え方です。
「中学受験は親子の受験」と言われることがありますが、それは最後まですべての学習を見ていくということではありません。志望校の入学試験当日、試験会場には一人で向かわなければなりません。これからの6年間を、自分の将来を決めるテストに自分一人で臨まなければならないのです。その瞬間に不安を感じたり、緊張したりするのは当たり前です。そして、その不安や緊張を振り払い、誰に頼ることもなく、自分の力で道を切り開いていくことが求められるのです。そう考えた場合「依存心」は敵になります。よく「本番に弱い」というようなことが言われますが、その要因の一つとしてこの「依存心」が挙げられます。
普段の生活の中において、子ども(小学生)は大人に依存することで生活をしている部分が多いはずです。ですから、時の経過とともに自然と自立するわけではありません。計画的に親が手を離していくことで、子どもの自立は促され、精神的にも成長していくのです。
では、具体的にどのような形で手を離していけばよいのでしょうか。中学受験学習への親の関わり方としては、大きく分けると二つの方法があると、私は考えています。一つは問題や学習の内容にも関わる形、もうひとつはペースメーカーとして関わる形です。小学校3~4年生では前者のスタイルが中心となるはずですが、小5以降には後者のスタイルへと移行していくことを、一般的にはおすすめしています。これまでお子様が分からない問題を教えていたのであれば、『それは先生に質問しなさい』という形に変えるわけです。その際、お子様が先生のところへ質問に行くのを渋る場合があるでしょう。そのようなときには、お母様から塾に電話をかけてください。お子様に聞こえるように、『いまから質問に行かせますので、お願いします』のひと言でかまいません。それを聞いたお子様は先生のところへ質問に行きやすくなるはずです。一回質問に行くことができれば、次は自分から行けるようになります。ひとつの事例ですが、それがペースメーカーもしくはサポーターとしての親の関わり方です。
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