『塾とのコミュニケーション』

2024.05.22

早稲田アカデミーには「回診電話」という言葉があります。職員の中で使っている言葉ですので、保護者の皆様はご存じないと思います。新しくご入塾いただいた際に担当講師からのご挨拶の電話や、大きなテストの結果を見ての電話など、「保護者の皆様とコミュニケーション」をとるための電話をそう呼んでいます。特に中学受験は「親子の受験」と言われるように、保護者の皆様と塾（担当講師や校舎責任者）とのコミュニケーションは大切です。講師とお子様方とは毎回の授業で顔を合わせていますので、当たり前ですが会話もできています。しかし、保護者の皆様とはなかなかお話しさせていただく機会がない場合もあります。しかし、お子様の成績向上を考えると、保護者の皆様とのコミュニケーションはとても大切なのです。単なる情報の交換だけではなく、講師と保護者の皆様との間に信頼関係が成り立つことが、お子様の成績の向上に大きくつながるのです。コミュニケーションをとることで、保護者の皆様が担当講師を信頼してくだされば、そのお気持ちは必ずお子様に伝わります。そして、信頼している先生の授業であればより集中して聞くようにもなりますし、その先生が出した宿題への取り組み姿勢もよりよいものになるはずです。

保護者の皆様とのコミュニケーションのために、一学期末・二学期末のタイミングで「個別面談」も実施させていただいております。「回診電話」については、時期や回数を決めて実施しているわけではありませんが、大きなテストの前後やそれ以外でも何か気になることがあったときなどには随時ご連絡をさせていただきます。もちろん、保護者の皆様はこの回診電話をお待ちいただくだけではなく、何かありましたらお気軽に校舎までご連絡いただければと思います。家庭学習を進めていく中で不安になったことや、わからないことなどはぜひお気軽に担当講師までご連絡ください。

以前、私宛にある校舎（私の勤務している校舎ではない）の小６受験生のお母様からお電話をいただきました。模擬試験の判定の見方などに関するご相談だったので、お応えさせていただきました。実は、そのお電話で、「この前も校舎の先生には志望校のことで、時間をかなりとっていただいたので、こんなことまで電話をすると『うるさい親』だと思われてしまうのでは……」とおっしゃっていました。この記事をお読みの皆様の中にも、「うるさい親だと思われたらイヤだから、あまり塾には連絡しない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

少なくとも私は、保護者の皆様を「うるさい」などと思ったことはありません。逆に頻繁にご相談やご質問をいただくお父様・お母様には本当に感謝をすることが多いのです。ある程度、よくお話しするようになると、私もいろいろとお願いしやすくなります。「先生はいつもお忙しそうなので、電話をするのは気が引けて……」と言われることも多いです。確かに忙しいときはありますが、よくお話しさせていただく保護者の方には「いまちょっと手が離せないので……」と正直にお話しできるようになります。その代わりに、折り返しご連絡できる時間をお伝えして、落ち着いてお話しをさせていただくようにしています。

大切なお子様の将来・未来をご一緒につくっていくわけですから、保護者の皆様とは正面から本音でお付き合いさせていただきたいと思っています。ときには、我々の指導に不安を抱かれる瞬間もあるかもしれません。そんなときには、ぜひそのお気持ちを正面からぶつけていただきたいとも思います。早稲田アカデミーの創業社長の須野田誠も、その著書の中で保護者さまへ向けた塾の活用法として「塾の先生から顔と名前を覚えてもらえる親になろう」というアドバイスを書いています。ちょっとしたことでも相談して、塾や先生とのパイプをつくっておくことが、お子様のためになるというような内容でした。

さて、早稲田アカデミーにお通いの方に、講師とゆっくり話ができる時間について、ちょっとしたアドバイスを書かせていただきます。校舎の責任者（校長）や教務主任・学部学年主任とお話しいただきたい場合は、平日の午後の早い時間をおすすめします。夕方以降は授業がありますので、その時間にご連絡いただいてもつかまらないことが多いはずです。また、担当講師に急ぎではないご相談がある場合は、お子様経由でちょっとしたメモ（お手紙）を講師に直接お渡しいただくのも効果的です。できれば、「電話してください」というだけではなく、ちょっとした内容と時間も指定されるとよいでしょう。「算数の勉強法について相談したいので、今日の授業後にお電話いただけませんか。２２時までなら大丈夫です」というような感じでよいのです。別に丁寧にお書きいただく必要はありません。メモ用紙などでかまいませんので。

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